【ポケモン】トライアングル・２（仮題） (ページ5)

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「ピチュ！ピチュー！」

攻撃成功にピチューは嬉しそうに飛び跳ねる。
フィールドに巻きあがった煙が薄れており、カルネは遠くのトレーナーサークルに立つAと彼女の前に立つボーマンダに微笑みかける。

「ストーンエッジで土煙を出し視界を悪くしサーナイトの気配で位置を把握して攻撃。良い攻撃だったわ」

「ありがとうございます」

「では今度はこちらから。サーナイト、シャドーボール！」

素早い黒い球の攻撃を避けきれず、ボーマンダの体に黒い球体の攻撃が当たった。ボーマンダは痛みに顔をしかめながらよろける。

「これで決めさせてもらうわ。サーナイト、ムーンフォース！」

サーナイトの頭上に美しい満月が現れ、月の力による攻撃がボーマンダの巨体に当たり、地面にドスンと大きな音を立てて倒れていく。

「ボーマンダ！」

「ピチュ！」

Aはボーマンダに駆け寄ると微笑み、愛おしむように頭を撫でる。遅れてピチューもやってきてボーマンダを心配そうに見上げている。ボーマンダは瞼を少し開け、グルゥ…と小さな声で呟いた。
ボーマンダは悔しかった。チャンピオンのポケモン相手とはいえ2回の攻撃で戦闘不能にされてしまい、自分ならやってくれると信じてくれたAに申し訳ない。負けてごめんなさい、と言っている。

「私がもっと良い指示をできなくてごめんね。頑張ってくれてありがとう。ゆっくり休んで」

ボーマンダをモンスターボールに戻した。すると表情が曇る。
(やっぱりチャンピオンは強い…。わかってたけどやっぱり悔しい。もっと強くならなきゃ。ボーマンダが強くなるように良い修行させて、そして私自身も強く！バトルに勝つ為にもっと良い指示ができるようにならなきゃ)
カルネはサーナイトに「ご苦労様」と声をかけてからモンスターボールに戻すとAに歩み寄る。Aは姿勢を正すと深々と頭を下げた。

「カルネさんとサーナイトとのバトル、とても勉強になりました。ありがとうございました」

「あなたの為になったのなら良かった。
…あなたとボーマンダの絆、見させてもらったわ。あなたはボーマンダが自分の期待通りやってくれると信じ、そしてボーマンダもあなたを信じ勝利する為にバトルしていた。強い絆を感じたわ。
その絆をこの先さらに強くし、努力し続ければあなた達はもっと強くなれる。その時、もう一度バトルしましょう」

カルネは微笑むと、Aと熱い握手を交わすのだった。