【ポケモン】トライアングル・２（仮題） (ページ1)

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ミアレシティ～美しきチャンピオンと水の料理人～続きページ1

「あ、こら！ガツガツ食べるんじゃないの！」

ガレットのカスを零しながらガツガツ食べるので慌てて叱るが、ピチューはガレットに夢中で1枚目をあっという間に食べ終えると2枚目を食べだす。
(チャンピオンの前でそんな食べ方やめて！)
Aは恥ずかしくて心の中で叫んでいると、カルネが口元に手を当てクスクスと優雅に笑った。チャンピオンに笑われてしまった。増々恥ずかしくなり頬が赤く染まってゆく。

「良い食べっぷりね」

「すみません…ちゃんと食事のマナーを覚えさせます…」

恥ずかしさで声が小さくなってゆく。しっかり食事のマナーを覚えさせなくては、と思っていると、すでに5枚目を食べ終えたピチューがまた1枚ガレットを取るとAに差し出した。

「ピチュ」

「え？…何？」

「一緒に食べようって言ってるんじゃないかしら？」

カルネの言葉にピチューは頷いた。ピチューは差し出した手を引っ込めず、Aが取るのを待っている。Aは嬉しさで笑みを浮かべて受け取った。

「ありがとう、ピチュー」

にっこり笑いあい、一緒にガレットを食べる。その様子をカルネは微笑ましそうに見つめた。

「その子、あなたによく懐いてるわね。あなたがとても好きなのね」

「そうでしょうか…。それなら嬉しいです」

「その子とはいつから一緒に？」

「昨日です」

「昨日？」

カルネは目を瞬かせる。

「この子はプラターヌ研究所にいたポケモンだったんですけど、卵から生まれたばかりの子で外の世界に行きたがっているので連れて行ってほしいとプラターヌ博士に頼まれたんです」

「…そうだったの。(ポケモンの性格によって懐きやすさは違うけど、ずいぶん早く懐いたのね…)
他にポケモンは？」

「ボーマンダがいます。私の最初のパートナーなんです」

「良かったら見せてもらえないかしら？」

「はい」

カルネの頼みにAは快く承諾すると、モンスターボールの取り出しスイッチを押す。電子音と共に赤い翼を広げてボーマンダが現れ、カルネは立ち上がり近づいてゆく。Aが後に続いた。

「この子が私のボーマンダです。ボーマンダ、あの人はあのカロスチャンピオンのカルネさんだよ」

「初めまして、ボーマンダ。よろしくね」

カルネのテレビや記事をAと一緒に見ていたボーマンダはカルネを知っていた。カルネが微笑みかけると、ボーマンダは目を細めじっと見つめる。カルネは見つめ返した。

(このボーマンダ……)