第５話 ページ7
「何言っているんだよルガ！」
「いやー、だって見た感じ、せんせーに敵いそうにないしさー。…だから、俺を置いて逃げてくれよ」
ルガの言葉に驚いたモモとカナギ。だが、その次の言葉はもっと二人を驚かせた。
「モモの言う通りです！確かに毎日"死ねばいいのに"って思っていましたが！今言う事ではないでしょう！」
「あはは…ホント、カナギちゃんって毒舌なんだから。でも、俺も冗談で言ってる訳じゃないんだよねー。……マジな話、俺たちはせんせーに敵いっこないって。だってあの"狼"だぜ？アカデミー出たばっかの下忍が勝てる相手じゃねえって」
いつもはふざけているルガが、真面目な口調で言う。
それを、Aは静かに聞いていた。
「だからさ、俺を見捨てて二人だけでも生きてくれよ。捕まったのは、せんせーの気配に気付かなかった俺のミスだし。それに、俺を助けようとしてせんせーに挑んで、全員死んだらかっこ悪いだろ？」
「……てめぇは、それでいいのかよ」
モモは、絞り出すかのように、そう言った。
彼の表情は、悔しさで歪んでいる。隣のカナギは、今にも泣きそうだった。
「ん。いいよ。助けようとしてくれてありがとね」
「…チィ！…行くぞカナギッ！」
「…ごめんなさい、ルガ…っ、弱くて、ごめんなさい…っ」
二人は苦しそうに、ルガとAに背を向け、走り出す。
ルガが、"二人に生きて欲しい"と願ったのだ。
ーーならば、その思いを叶えよう。最後の言葉を、無駄にしない為にも。
そう思って、二人はルガを見捨てた。
『……ようやく、合格者が出たか』
「え…？」
死を覚悟していたルガの耳に、安堵したかのような声が届いた。
「おわっ！？何だこの鰐！ちょ、何すんだよ！」
「きゃあああっ！」
それと同時に、慌てふためくモモとカナギの声。
そしてしばらくすると、青い鰐の腕に抱えられた二人が奥から出てきた。
「うわあ、鰐！！何だあれ！森に鰐がいる！って、二人とも捕まってんじゃん！せんせー！助けてあげてよ！モモちゃんたちが鰐に食われちゃう！」
『うるさい』
「へぶッ！」
Aの爪が首に当たってるにもかかわらず、暴れるルガ。それに苛立ったのか、Aはルガの背中を蹴り、押し倒した。
『安心しろ。食われはしない。…オーダイル、下ろしてやってくれ』
《グオオ！》
「ちょっ、せんせー重い！足退けて！！」
そして、ルガの背に足を置いたまま、Aはそう言ったのだった。
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花璋(プロフ) - 更新お待ちしてます！ (2019年12月11日 21時) (
レス) id: 16d4e71997 (このIDを非表示/違反報告)
月夜 黒輝 - ポケモンをあんまり知らない僕でもすごく見ていて楽しい！続き楽しみにしています！身体をお大事に...まあ大事にって言っても変わらないけど、あはは まあ頑張ってください！(`･ ω･´)ゞﾋﾞｼｯ!! (2018年9月1日 4時) (レス) id: 9616d08dd2 (このIDを非表示/違反報告)
鯉天 - 凄く面白いです！更新頑張ってください！！！ (2018年2月18日 18時) (レス) id: 4001538cd3 (このIDを非表示/違反報告)
ほろろ(プロフ) - ポケモン×NARUTOなんて…更新頑張ってください！ (2017年7月17日 15時) (レス) id: 61132168c1 (このIDを非表示/違反報告)
とけるチーズ - とても面白いです！更新期待しています！ (2017年5月20日 1時) (レス) id: 601f4b58b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白蛇 | 作成日時：2016年7月4日 23時
