──念使いは捻くれてる ページ16
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『よく頑張ったね。すごくカッコ良かったよ』
Aは柔らかな笑顔でヒバニーをぎゅっと抱きしめてあげている。
ヒバニーの《ひのこ》とミブリムの《ねんりき》が互いに届いたのは同時で、2匹が倒れたのも同時だった。
結果として試合は引き分け。
ヒバニーとミブリム(それとホップのポケモンたち)はすぐさまホテリエの手配によって回復した。
(あの笑顔……昔と変わらないな)
「なるほど……いいんじゃないですか。こちらも本気ではありませんし」
ビートは〈フイ〉とそっぽを向く。
これ以上見ていると、彼女を見つめる視線に熱がこもってしまいそうだった。
「おやおや、今年のジムチャレンジャー達は随分とエネルギッシュのようですね」
声の登場に会場全体が響(どよ)めく。
ポケモンリーグ最高責任者、ローズ委員長そのひとである。
ビートは思わず〈しまった〉という表情になる。
あのとき、Aとキバナが親密そうにくっついてる姿を目撃してしまい、ひどく苛立っていた。
ささくれた気持ちのトゲを容赦なくホップにぶつけ、痛めつけ、自分の優位性に酔っていた。
《ローズ委員長の推薦者・ビート》の肩書きとしては、自分の行いは浅はかだった。
結果として騒ぎを耳にしたローズ委員長をこの場に呼び寄せてしまったのだから。
「(ぼくとしたことが……こんな醜態をローズ委員長に見られてしまうなんて)」
何より、今はまだAとローズ委員長を接触させたくはなかったのに。
くらくらと目眩がしそうな頭を、髪を払う仕草でごまかして何でもない風を装う。
そもそも! 記憶を失ったかわりに、ただのひとりの女の子として生かされているはずのAが、どうして《ジムチャレンジャー》としてまたこの世界に足を踏み入れてしまっているんだ…!
「今年はポケモンリーグ20周年であり、《ガラルの伝説》から1000年という節目でもあります。
あなた達ジムチャレンジャーがこの記念すべき式典を盛り上げてくれることを期待していますよ!」
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栞奈(プロフ) - 終わ、終わり…うわぁぁぁぁぁぁぁぁ (2020年7月18日 15時) (レス) id: 9e3c94c974 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ(プロフ) - 終わりって表示されてますけど、まだ続きますよね?続きがとても気になるのでお願いします( ;∀;) (2020年6月14日 20時) (レス) id: b2104f9538 (このIDを非表示/違反報告)
PP(プロフ) - エマりんさん» すみません…唐突なお申し出にちょっとビックリしてしまって…;;; 私の作品を気に入って下さっていたり、ビートやキバナなどのポケモンキャラクターがお好きといった理由でお声掛け頂いている感じでしょうか……??;;; (2020年2月10日 8時) (レス) id: 55cfe36b05 (このIDを非表示/違反報告)
エマりん - 友達になりませんか? (2020年2月9日 13時) (レス) id: fd98254018 (このIDを非表示/違反報告)
PP(プロフ) - ねこさん» →キバナさんは面倒見の良い兄貴肌と見せかけたゆるふわ女子…(笑) またぜひ覗いてやってください* コメント頂き有難う御座いました! (2020年1月19日 0時) (レス) id: 55cfe36b05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:PP | 作成日時:2019年12月20日 22時