──竜は目が離せない �� ページ12
Aは殴られることを想像した。
鞭打つような肌を叩く音は、でも、起こらなかった。
耳に届いたのは〈カシャリ〉というシャッター音と、瞼ごしの光。
「女の子に手をあげるなんて、そっちの方がよほどマナー違反だろ。見てて気持ちのいいもんじゃないな」
おそるおそる瞼を持ち上げる。
ふたつのシアンブルーの宝石の瞳を持つ
涙で滲んだAの視界にはそう映った。
「やべえって！ コイツはナックルシティの…っ」
相方にロングコートの裾を引かれて、男は悔しそうに舌打ちする。
「こんなお
目元に湛えた雫をクイと拭いとられて、ようやくハッキリと相手の姿を見ることができた。
にぱっと気さくな笑顔をつくる口から覗く小さな白い牙、垂れ目がちなシアンブルーの瞳が、灼けた肌によく映える長身の青年。
ダンデさんがポカポカとした暖かな太陽なら、このひとは燃えさかる灼熱の太陽のイメージ。
『ぁ…』
ありがとうございます！
そう言ったはずなのに、唇が震えてほとんど声には出せていなかった。
青年に支えてもらいながら立ち上がり、何度も何度も頭を下げる。
「いいって、いいって。それより気にするべきなのは嬢ちゃんの格好の方だと思うぜ？ ホテル側には話を通しておくから、着替えに行きな」
と言ってスマホロトムで(きっとホテルに)通話しようとしていた時。
びゅう、と強い夜風が吹き抜けて、肩から滑り落ちていたケープを飛ばしてしまう。
ケープにはマリィに返さなくてはならない預かりもののチョーカーを忍ばせてある。
慌てると周囲が見えなくなるのは悪い癖だった。
Aの意識は風がさらったケープにのみ注がれていて、それを追う。
《ザヴァン！》と水を打つ派手な音が鼓膜に響いて、Aはようやく、ドレスの裾を踏んづけて噴水の中に転げ落ちたことを理解した。
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栞奈(プロフ) - 終わ、終わり…うわぁぁぁぁぁぁぁぁ (2020年7月18日 15時) (
レス) id: 9e3c94c974 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ(プロフ) - 終わりって表示されてますけど、まだ続きますよね？続きがとても気になるのでお願いします( ；∀；) (2020年6月14日 20時) (レス) id: b2104f9538 (このIDを非表示/違反報告)
PP(プロフ) - エマりんさん» すみません…唐突なお申し出にちょっとビックリしてしまって…;;; 私の作品を気に入って下さっていたり、ビートやキバナなどのポケモンキャラクターがお好きといった理由でお声掛け頂いている感じでしょうか……？？;;; (2020年2月10日 8時) (レス) id: 55cfe36b05 (このIDを非表示/違反報告)
エマりん - 友達になりませんか？ (2020年2月9日 13時) (レス) id: fd98254018 (このIDを非表示/違反報告)
PP(プロフ) - ねこさん» →キバナさんは面倒見の良い兄貴肌と見せかけたゆるふわ女子…(笑) またぜひ覗いてやってください＊ コメント頂き有難う御座いました！ (2020年1月19日 0時) (レス) id: 55cfe36b05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：PP | 作成日時：2019年12月20日 22時
