──少女は茨に絡められ ページ11
窓の外にマリィの姿を見た気がしてAは急いで会場を飛び出した。
ガラス扉の開閉の動作がもどかしく、身を滑り込ませるようにして噴水のある中庭まで走った。
(マリィちゃん、どこだろう？)
あのピンク色の人影は確かにマリィちゃんだったと思うんだけど………
周囲を見渡しても、それらしい姿を見つけることはできなかった。
噴水から勢いよく落ちるザアザアという水音にかき消されそうな微かな音。
薔薇が咲き誇る茂みの奥から〈ガサリ〉となった物音を、Aの耳は拾った。
『そこにいるの…？』
確かめようと茂みへと近づいてゆく………。
一瞬の出来事だった。
深い緑の葉のあいまから複数の男の腕が伸びてきて、Aの細い体は茂みの中へと引き摺り込まれてしまう。
『い…っ』
嫌！ なにが起こってるの？！ すごく怖い…っ
「ハーイ、静かにしようねぇ。
「オイ、早いとこ済ませちまおうぜ」
「せっかちな男はモテないよ。
たっぷり可愛いがってあげるからさぁ、お行儀良くしててよ？ お嬢さん」
『(うそ……ひとちがい……)』
身なりだけ見れば(Aにはそんな余裕なんて無かったが)、紳士然とした二人組。
ブーゲンビリア・ピンクの裾広のロングコートと、深碧のベルベット・コートは上流階級であることが窺える。
だからこそ、Aはいっそう怖かった。
このひと達はさも当然のように、笑いながら、残酷な遊びに興じようとしているのだ。
『ぃゃ……お願い、離してください……』
必死に声を絞りだした。ふるふると震えて、喉が引き攣ってうまく喋れない。
ブーゲンビリア色の袖から伸びる手が無遠慮にAのからだを触ってくる。
「ね、ココどうしたの？」
焦げたドレスの胸元に人差し指が ツツ…となぞられる。
ポロポロと布が剥がれて、谷間が晒されたとき、Aの恐怖はピークに達した。
『やめて！』
パンッと乾いた音が響く。
無我夢中で相手を引っ叩いていた。
男の目が急に鋭くなり、怒りの色に染まった。
「キミさあ…！《
な、何のこと？ わたし何も知らない…っ
男の手が乱暴に振り上げられる。
Aはぎゅっと目を瞑った───。
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栞奈(プロフ) - 終わ、終わり…うわぁぁぁぁぁぁぁぁ (2020年7月18日 15時) (
レス) id: 9e3c94c974 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ(プロフ) - 終わりって表示されてますけど、まだ続きますよね？続きがとても気になるのでお願いします( ；∀；) (2020年6月14日 20時) (レス) id: b2104f9538 (このIDを非表示/違反報告)
PP(プロフ) - エマりんさん» すみません…唐突なお申し出にちょっとビックリしてしまって…;;; 私の作品を気に入って下さっていたり、ビートやキバナなどのポケモンキャラクターがお好きといった理由でお声掛け頂いている感じでしょうか……？？;;; (2020年2月10日 8時) (レス) id: 55cfe36b05 (このIDを非表示/違反報告)
エマりん - 友達になりませんか？ (2020年2月9日 13時) (レス) id: fd98254018 (このIDを非表示/違反報告)
PP(プロフ) - ねこさん» →キバナさんは面倒見の良い兄貴肌と見せかけたゆるふわ女子…(笑) またぜひ覗いてやってください＊ コメント頂き有難う御座いました！ (2020年1月19日 0時) (レス) id: 55cfe36b05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：PP | 作成日時：2019年12月20日 22時
