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タルトレット.29 ページ29

脊髄から全身に氷みたいな冷たさがまわる。



どうやら、今ごろビビったらしい。



「ところで、お前なんで佐伯たちと争ったん?」



頭上から侑くんの声がする。
『怖い』と感じてしまった。もしかしたら、彼は私のことをもう友達として扱ってくれないかもしれない。
そんな恐怖が体を支配した。




「……、盗られたモノ、取り返すため。」



ふーんと呆れたような声。
純白の布団にしわを刻む。



「だ、だって友達から貰ったモノだったんだもん。」




言い訳が空中で一人歩きする。
顔をあげることが怖かった。



ギュッと目を瞑ると、頭の上に手がのせられる感覚。直後、激しいチョップが降り注いだ。



「この、ドアホーーー!!!」



侑くんの怒号が保健室に響いた。養護教諭は顔をしかめている。
そんなことお構い無しに彼は続けた。




「それ贈ってくれたヤツらは、お前に命がけでプレゼントを大切にしろなんて言っとらんやろ!
もし、お前が大ケガしたら、ソイツらお前になんて言うん?
お前は友達に『ゴメン』って言わせたいんか?」




「い、いや、言わせたくない。」




「なら、命大事にしろアホ!!お前が落ちてきた時、心臓止まるかと思ったわ!」




ドスン!!と音をたてて、彼は備え付けの椅子に座った。椅子の安否が心配になった。




時計をチラリと見る。いつもだったら午後の授業が始まっている時間だろう。



「……、午後は自習になったから、安心して寝ればええ。ただ、後でお前にも事情を聞くためにセンセイが何人か来ると思う。」



「あの映像、ちゃんと撮れてた?」




「ああ、一部始終バッチリ映っとったから証拠として提出してきた。」




「そう……。」




その後は目立った会話は無く、淡々と時間だけが過ぎていった。

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ぬーすけ(プロフ) - 初コメ失礼します。更新順で巡ってたら、惹かれる作品に出会いました。宮くんが可愛いです。更新大変だとは思いますが頑張ってください(*^^*) (2019年1月27日 1時) (レス) id: af92ea114b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:コゲパンです。 | 作成日時:2018年12月24日 14時

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