thirty-three ページ35
「ほんなら、誰からやるん？」
ゾムが腕を伸ばしながら、呑気に聞いてくる。
刺すような殺気は一瞬で消えた。ゾムが元気に準備運動をし始めたからだ。それを機に、幹部らはぎこちなく体を動かし始めた次第である。
グルッペンは目をキラキラさせてみんなに言う。
「素晴らしいと思わないか、幹部諸君！この震えることすら出来ない殺気の強さ！並大抵のやつではないだろう！」
「グルッペン、お前なんでそんな生き生きしてんの？ほんま意味分からん。」
「いやー、凄かったな。予想以上の強さだった。」
「ほんまにね。いやー、ゾム凄いなぁ。」
「あいつ、ヤバイなぁ。」
その場の全員が、ゾムの殺気に冷や汗を流しながらも、どこかわくわくした感情を持っていた。
「せらさんの話やと、身体能力抜群の耐久力もあり。武器も色んな奴使いこなせるらしいで。」
「へー。僕得意武器すらガバんねんけど。」
「まー大先生やからしゃーないんちゃう？」
「戦争だけっすか、経験は？」
「いや、色々やってたっぽいで。暗殺やらテロやらなんやらかんやら。」
「ふーん。」
いつまでも話している幹部らを見ながら、準備運動を終えてしまったゾムは地団駄を踏む。
「なぁなぁ、早よしてーやー。」
「分かった分かった。最初はじゃあ、コネシマとかでええんちゃう？」
「俺かいな。まじかー、やるかー。」
コネシマが首をコキコキ鳴らしながら寄ってくる。ゾムもコネシマへ歩み寄った。
「ほんじゃ、一戦目はコネシマやな。」
「シッマでええで。よろしく、ゾム。」
握手を交わして、一定間隔の距離を取る。グルッペンが出てきてゾムに武器を放った。
「最初はこれで戦ってみてくれ。」
「…サバイバルナイフ？しかも本物やん。殺してまうで。」
けろっと言うゾムに、コネシマは少しムッとしながら言う。
「舐めんなや？俺やって伊達にここの幹部やってんちゃうぞ。」
「まぁ、殺してしまいそうな場合はこちらでストップをかける。存分に殺り合ってくれ。」
「ほーん。おけ、分かったわ。」
ゾムの口が釣り上がり、まるで赤く染まった三日月のようだ。
「では、始める。一戦目、始め！！」
グルッペンの声が響き、瞬間二人は動いていた。
ゾムがナイフで斬りかかると、カァンという固い感触が返ってくる。
(…シッマ、武器持ってたっけか？)
尚も斬りかかり、相手の動きを見て攻撃をかわす。
その瞬間、ゾムは見た。
コネシマの手には、銀色に光る、鋭い爪が伸びていたのだ。
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ぽいぽい(プロフ) - 桜エビさん» わあい！(乗るな)(終わり所が探せない) (2020年1月16日 21時) (
レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
桜エビ(プロフ) - レスありがとうございます(〃・д・) -д-))ﾍﾟｺﾘﾝ この小説大好き☆(気持ちわりぃ) (2020年1月16日 16時) (レス) id: 079fa85f33 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - 桜エビさん» ありがとうございます！好きだなんて…やん//(は？)コメントいただけてとても嬉しいです！ (2020年1月16日 0時) (レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
桜エビ(プロフ) - 語彙力皆無なので分かりにくいとは思いますけど.......好き(キモ)え....... (2020年1月11日 19時) (レス) id: 079fa85f33 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - momoさん» 読んで頂き、コメントも下さってありがとうございます。精進します。 (2019年12月9日 19時) (レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽいぽい | 作成日時：2019年2月9日 23時
