【あんスタ】そして、誰もいなくなった 【三年生】

第6話 ページ7

「あ〜…お腹いっぱい…♪」

空っぽになったお皿を眺めつつ、私は心底幸せそうに呟いた。

「いい『たべっぷり』でしたよ」

私の隣に座っていた深海先輩が微笑みながら私の皿を自分の皿に重ねて片付けようとする。

「あっ先輩、私がやりますよ！」

「いいんですよ、Aさん。きょうはつかれたでしょう。おふろにはいって、こんやははやめにやすんでください」

全てを見通しているような澄んだ瞳で微笑み混じりに私を見つめる先輩。私が疲れきっている事はお見通し、とでも言いたげだ。

「…じゃあ、お言葉に甘えて」

「おっAは今から風呂か？そういえばここって牛乳はあっただろうか…風呂上がりには冷たい牛乳が欠かせないからな！」

「吾輩は冷たいトマトジュースが飲みたいがのう…さっき見たら無いようでかなりがっくりきておるわい」

「ぼくは『おみず』があればじゅうぶんですけどね〜。ふろあがりのほてったからだに『つめたいおみず』がここちいい…♪」

そんな会話を聴きながら私は部屋に戻ってお風呂の支度をする。生憎お風呂場が一つしかなく、男どもが入った後を私に使わせるのは申し訳ない、という意見があったため1番最初に私が使わせてもらう事になった。

私は家のものよりもずっと広くて大きな浴槽に浸かりながら1日の疲れを癒し、明日からの日々に思いを馳せていた。

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