検索窓
今日:16 hit、昨日:8 hit、合計:50,805 hit

第31話 ページ32

「わかった。…お前が倒れた後、一先ずお前を部屋に運んだ。そして広間に戻って瀬名の腕から流れた血を見て、毒殺だろうと日々樹が言った。瀬名も部屋に運んで、俺達4人はまた広間に集まった」

守沢先輩は再び俯いてぽつりぽつりと語ってくれた。

「奏汰がどうやって死んだか覚えてるか?」

「えっ…と、青酸カリで…」

「そう。1人がのどを詰まらせて、9人になった」

守沢先輩は蓮巳先輩、月永先輩の死因をあげ、例の詩との繋がりをあげた。

「でも羽風の死因は、1人が自分を真っ二つに割って、6人になったって言う残酷な内容の詩に比べると、弱いと思わないか?」

「…えと」

物置の側で蹲るようにして死んでいた羽風先輩。

その腹部から夥しく流れていた血。

「……う」

その光景を思い出した途端胃からこみ上げた吐き気を必死に抑えて言った。

「……確か、羽風先輩は、腹部を刃物で……1箇所刺されていた…」

「そう。なんというか、手加減…と言うのははばかられるが…」

言いにくそうに口篭る守沢先輩。

「因みに瀬名の蜂が1人を刺して、5人になったってやつの蜂の針を注射の針とかけたんだろうって話をした」

「そんなの…くだらないことば遊びじゃないですか…」

「…あと、多分羽風だけが犯人と向かい合ったと思われる。月永は後ろから殺られたようだったし、瀬名や蓮巳は眠っている時、奏汰は完全に不意打ちだった」

「…つまり羽風先輩とは向かい合ってしまったから罪悪感が湧いて、詩のとおりの残酷な殺し方が出来なかった?」

「そう…天祥院は言っていた」

「……………犯人の目星は…?」

私がそう言うと、守沢先輩は首を横に振った。

「俺達はあまりに1人になるタイミングが多かったからな…完全にアリバイを証明するのは難しかった」

「…確かに、そうですね」

「だが明らかに天祥院は…朔間に目を付けているようだった」

「…………」

朔間先輩__________

水差しを用意し、羽風先輩とは同じユニットで二枚看板を背負っている。

でも…

「これと言った証拠もないからな…俺はそんな状態で朔間を疑うなんて嫌だ!」

ぐっと拳を握りしめる守沢先輩。

「俺は多分…犯人の11人目がいることを信じたいんだと思う…。仲間内で疑い合うなんて事、したくないんだ」

綺麗事だと分かってはいるんだがな、とへらっと笑う先輩。

やはり私たちの中に、犯人がいるのだろうか?

でもならば、その犯人は、何故こんな事をしているのだろう_______________

第32話→←第30話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.3/10 (63 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
67人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

卍みきちゃま卍(プロフ) - スーダンみたいで好きだ... (2019年8月23日 9時) (レス) id: 139c03c43b (このIDを非表示/違反報告)
捕鯨船(プロフ) - 報告ありがとうございます!修正しました! (2018年2月3日 19時) (レス) id: b2d51ee9ad (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち@Cherry blossom(プロフ) - それと、38の時"1日しかに7人"となっていました。最後に47のところ"彼を手負いの状態で彼を"となっていました。続編も楽しみにしてます! (2018年2月3日 19時) (レス) id: bd93821e26 (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち@Cherry blossom(プロフ) - コメント失礼します!原作も読んだことあるのですが、また違ったキャラで読むと面白くて、とても良かったです!いくつか気になる点があるのですが、12の時"高峰"となってますが正しくは"高峯"ですよ〜。 (2018年2月3日 19時) (レス) id: bd93821e26 (このIDを非表示/違反報告)
海希 - あ、あと、この事件を知ったあと学院の人達がどんな感じなのか気になります!! (2018年1月25日 22時) (レス) id: 426add2276 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:なつほ | 作成日時:2017年12月21日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。