【あんスタ】そして、誰もいなくなった 【三年生】

第30話 ページ31

「_______ん…」

目を覚ますとそこは私が割り当てられた部屋のベッドの上だった。

「A！起きたか…」

ベッドの横に置かれた椅子に座っていた守沢先輩がガバッと立ち上がる。

「顔色も…マシにはなったみたいだな。よかった」

ふわりと微笑む先輩の顔色は悪く、疲れている事が見て取れた。

そんなこと当たり前だ。

だってもう羽風先輩も。

「_________瀬名先輩…」

瀬名先輩も。

「…瀬名は毒殺らしい」

「…え」

「腕に毒薬を注射されていたようだ。僅かに血が垂れていてな…恐らく、ではあるが」

俺達は警察じゃないから、正確な死因なんか分からない、と守沢先輩は俯いて言った。

「…あの、他の先輩方は…」

私がそう言うと、守沢先輩は顔を上げて私の目をまっすぐに見て言った。

「少し、辛い、胸糞の悪い話になるかもしれん。それでも、聞くか？」

先輩の目は真剣だった。

恐らく天祥院先輩が言っていた〈犯人探し〉の話になるだろう。

先輩方がそれぞれ不安や怒りや憎しみや悲しみを隠して、もしくはぶつけあって。

そうして何か答えを出したのだろう。

出来れば聞きたくない。

そんな事したって、死んだ先輩方は戻ってこない。

_______________でも、聞かなければ。

これを聞くことで犯人に近づけるかもしれない。

「…はい。聞かせて下さい」

私はそう言った。

でも、

犯人を見つけたら、犯人を知ったら、私はどうすればいいのだろう__________

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