第23話 ページ24
「じゃあ私、ブレーカー探してきますね」
先輩方が出ていった後、瀬名先輩に声をかける。
「………………A」
「…?先輩、どうかしましたか?」
「ごめんねA…自分でもここまで取り乱すとは思ってなかった」
ぽつりぽつりと言葉を紡ぐ先輩。
「…自意識過剰かもしれないんだけどさぁ、あいつ、俺のことあんた達に相談してたでしょ」
「…えっ」
何でそれを知って…
「やっぱりねぇ、あいつはそういう奴だよ…あいつがぶっ壊れて学校来なくなる前に、あいつに言われたことがあるんだ。俺にそこまでするほどの価値なんかないって、何回も言ってたってのにねぇ」
「………………」
「今度こそ間違えない、って思ってたのに……また、あいつに無理させた……」
目を瞑って悔しそうに呟く。
「俺って本当に、最低だ……ごめんれおくん」
憔悴している瀬名先輩を見かねて声をかける。
「…先輩、少しお休みになってください。ブレーカーくらい1人で見つけられると思いますし」
「でも1人で大丈夫?」
「はい!…今中には私達しかいませんし、これで私が死んだ場合は11人目が何処かに潜んでいるって証明になります。そしたら私達の間で探り合う事もなくなりますし!」
「A…あんたがそうやって犠牲になる事を喜ぶ奴がいるとでも思ってるわけぇ?そんなやつ1人もいないよ。誰かが犠牲になる事なんか誰も望んでない。あんたもそうでしょ」
「う……」
図星を刺されて言葉が詰まる。
「で、でも!とにかく大丈夫な予感がします!ちゃんと大声上げれますし!」
じゃ!っと言ってそそくさと広間を出る。
まずは近場から探そうと娯楽室に入ると、薄暗いせいか昨夜は気にならなかった動物の置物が不気味に見えてくる。
虎や猿、牛に熊に象…まるで動物園の様な様な置物を一つずつ眺めながら娯楽室を1通り回る。
特にブレーカーらしいものは見当たらない。
「ここじゃない、か…」
次は何処に行こう?
67人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
卍みきちゃま卍(プロフ) - スーダンみたいで好きだ... (2019年8月23日 9時) (レス) id: 139c03c43b (このIDを非表示/違反報告)
捕鯨船(プロフ) - 報告ありがとうございます!修正しました! (2018年2月3日 19時) (レス) id: b2d51ee9ad (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち@Cherry blossom(プロフ) - それと、38の時"1日しかに7人"となっていました。最後に47のところ"彼を手負いの状態で彼を"となっていました。続編も楽しみにしてます! (2018年2月3日 19時) (レス) id: bd93821e26 (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち@Cherry blossom(プロフ) - コメント失礼します!原作も読んだことあるのですが、また違ったキャラで読むと面白くて、とても良かったです!いくつか気になる点があるのですが、12の時"高峰"となってますが正しくは"高峯"ですよ〜。 (2018年2月3日 19時) (レス) id: bd93821e26 (このIDを非表示/違反報告)
海希 - あ、あと、この事件を知ったあと学院の人達がどんな感じなのか気になります!! (2018年1月25日 22時) (レス) id: 426add2276 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なつほ | 作成日時:2017年12月21日 2時