第22話 ページ23
「とにかく月永くんをここに運ぶとしよう。このままではあまりに可哀想じゃ」
朔間先輩がそう言うと同時に窓の外を見ていた日々樹先輩が慌てて言う。
「零、行くなら急いだ方がいいでしょう。雲の流れが急に早くなって天気が悪くなってきました」
間もなく、再び雨が降り始めた。
「…ｯれおくんが、れおくんがまだ外に」
ふらりと立ち上がった瀬名先輩を羽風先輩が慌てて椅子に押し返して言った。
「月永くんは俺達がちゃんと連れて帰ってくるから、瀬名くんはここで待ってて？」
「ああ、任せろ瀬名！そうだ、ここは力仕事になるからAは瀬名と一緒にここで待っててくれ」
「わかりました…！」
守沢先輩の言葉に私は大きく頷く。
その時。
ピカッという稲光が走ったかと思うとﾊﾞﾘﾊﾞﾘﾊﾞﾘｯと耳を劈く様な雷が鳴った。
同時に広間の電気が消える。
昼過ぎとは言え、雨のせいで薄暗くなる室内。
「て、停電！？嘘でしょ…」
「ブレーカーは何処じゃったかのぅ」
立て続けに起こる問題に私たちの中に動揺が広がる。
その動揺を諌めるかの様に、ずっと黙っていた天祥院先輩が口を開いた。
「みんな一旦落ち着いてよ。確かに想像を絶する悲劇が立て続けに起きてるとはいえ、みんなならもう少し落ち着いて対処出来るものだと思っていたのだけれど」
あくまでもいつもの調子で言葉を紡ぐ先輩。
「とにかく今僕達がやるべき事は月永くんを此処に連れてくる事。天気も悪いし重労働だから、3人くらいは必要かな。次に停電をどうにかしたい。瀬名くんとAちゃんはここに残ってブレーカーを探して欲しい。残りの2人はブレーカーが直らなかった時に備えて、薪を取ってきて欲しいな。そこにある暖炉を活用したいからね」
濡れた身体を温められるしね、と先輩は広間の一角にある暖炉に目をやる。
「…天祥院くんのプランに則って早速動くとしよう」
朔間先輩の言葉に、私達はそれぞれの仕事をこなす為に動き始めた。
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卍みきちゃま卍(プロフ) - スーダンみたいで好きだ... (2019年8月23日 9時) (
レス) id: 139c03c43b (このIDを非表示/違反報告)
捕鯨船(プロフ) - 報告ありがとうございます！修正しました！ (2018年2月3日 19時) (レス) id: b2d51ee9ad (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち@Cherry blossom(プロフ) - それと、38の時"1日しかに7人"となっていました。最後に47のところ"彼を手負いの状態で彼を"となっていました。続編も楽しみにしてます！ (2018年2月3日 19時) (レス) id: bd93821e26 (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち@Cherry blossom(プロフ) - コメント失礼します！原作も読んだことあるのですが、また違ったキャラで読むと面白くて、とても良かったです！いくつか気になる点があるのですが、12の時"高峰"となってますが正しくは"高峯"ですよ〜。 (2018年2月3日 19時) (レス) id: bd93821e26 (このIDを非表示/違反報告)
海希 - あ、あと、この事件を知ったあと学院の人達がどんな感じなのか気になります！！ (2018年1月25日 22時) (レス) id: 426add2276 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつほ | 作成日時：2017年12月21日 2時
