第17話 ページ18
食事を済ませた私達に朔間先輩が言った。
「お主ら、今後はなるべくひとりで行動するのは避けよ。部屋も可能なら2人１部屋にした方が良いかもしれぬな…」
「それは一理あるね。みんな、分かったかい？」
天祥院先輩の言葉にそれぞれ肯定の意を見せる。
「外が晴れてきましたが、外に出るのは危険そうなので避けた方が良いでしょうね」
「あー…日々樹、悪いんだけどそれは無理」
日々樹先輩に瀬名先輩は苦虫を噛み潰した様な顔で言う。
「さっきあのアホ王様が外飛び出してっちゃった」
_______________
「月永先輩どこ行っちゃったんだろう…」
私達は屋敷の外の生い茂る木々を掻き分けながら歩いていた。
「ほんっとあの王様は…。こんな時にひとりで行動するなんて犯人の絶好の的になっちゃうじゃん…」
瀬名先輩の言葉にぞわりと嫌な予感がした。
さっきの月永先輩の瞳。
まるで何かを覚悟したかの様な、瞳。
もし犯人に自分を追わせるために、わざと1人になったのだとしたら__________
頭に容易に浮かんだ最悪なシナリオを慌ててかき消す。
自分が死ぬ事も覚悟した上で瀬名先輩の事を私達に託した、なんて。
「…カッコ良すぎですよ」
でも、そんなの誰も幸せにならない。
そんな覚悟、私達には必要ない。
たとえ先輩が犯人をどうにか出来て私達が無事に帰れたとしても、そこに月永先輩がいないんじゃ心から笑うことなんて出来ない。
先輩の犠牲の上で成り立つ未来なんて、瀬名先輩も私も、他の人も望んでない。
ふと私の前を行く瀬名先輩を見上げる。
先輩の整った綺麗な横顔は、まるでごちゃまぜになった様々な感情が溢れだしそうなのを必死に堪えているように苦しげに歪んで見えた。
「瀬名先輩…」
「どうしたの？疲れたの？」
私の呼び掛けに応じて振り返った先輩の顔からは既にさっきの様な歪みは消えていて、怪訝そうな表情だけが残っていた。
激動の時代を越えてきた先輩達の強さが、垣間見えた様な気がした。
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卍みきちゃま卍(プロフ) - スーダンみたいで好きだ... (2019年8月23日 9時) (
レス) id: 139c03c43b (このIDを非表示/違反報告)
捕鯨船(プロフ) - 報告ありがとうございます！修正しました！ (2018年2月3日 19時) (レス) id: b2d51ee9ad (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち@Cherry blossom(プロフ) - それと、38の時"1日しかに7人"となっていました。最後に47のところ"彼を手負いの状態で彼を"となっていました。続編も楽しみにしてます！ (2018年2月3日 19時) (レス) id: bd93821e26 (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち@Cherry blossom(プロフ) - コメント失礼します！原作も読んだことあるのですが、また違ったキャラで読むと面白くて、とても良かったです！いくつか気になる点があるのですが、12の時"高峰"となってますが正しくは"高峯"ですよ〜。 (2018年2月3日 19時) (レス) id: bd93821e26 (このIDを非表示/違反報告)
海希 - あ、あと、この事件を知ったあと学院の人達がどんな感じなのか気になります！！ (2018年1月25日 22時) (レス) id: 426add2276 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつほ | 作成日時：2017年12月21日 2時
