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今この扉の向こうにAさんがいる。

しばらくした後、返事が来た時は飛び上がった。



父、母、俺、真冬兄さんの順番に入る。

チラリとAさんを見る。

…居た。


どうしよう。緊張してきた。



もう一度Aさんを見る。

……Aさんは俺を見ていない。

もう少し奥……


……真冬兄さんを見ていた。

でも、そのすぐ後下を向いた。




…俺を見ることはなかった。









.








親同士が仲良く話している中、3人は無言。

Aさんは、机を見たまま動かない。

……それでも美しいと思ってしまう自分が恥ずかしい。



しばらくすると痺れを切らした兄さんがAさんに話しかけた。





ま「………えっと……Aちゃん?」

ゆっくり顔をあげ兄さんを見るなり、ハッとした様子で

兄さんを見る。

『……あっ。ま、真冬さん…。』

ま「もしかしてしんどかったりする?」

すると顔を真っ赤にして否定する。


『い、いえっ!平気ですっ!』

そのあと見せた笑顔に見惚れて、

Aさんがちらりとこちらを向いて、

俺はなにをしていいのかわからず目線を逸らした。

逸らしたらダメなのに。

やっと目があったのに。



もう一度見てみるとつまらないというような表情をしていた。


……おそらく、Aさん。




真冬兄さんに恋をしてしまったんじゃないか。

やっぱり兄さんには敵わない。

俺の好きな人まで好きにさせるんだから。








父「…あぁ。そうそう。A。今日から、センラさんと暮らしてもらうからよろしくな。」

『…は?』

意味がわからないというような表情をするAさん。


……結婚をするということは一緒に住むということ。

…申し訳なさもあるが、正直俺は舞い上がっていた。

ま「わぁ…!…いいじゃん!楽しんで!」

真冬兄さんは俺の方を向いてガッツポーズをした。

……ありがとう兄さん。頑張るよ。






少し微笑みながらAさんを見る。




Aさんは絶望したような表情で

ボソッと何かをつぶやいた。

それはみんなには聞こえないような声で、

……それでも俺は聞こえてしまって、

その言葉が耳に焼き付いて離れない。





『…………嫌……だなぁ。』

新しい我が家→←ーーーーーーー



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ちょこ - とてもよかったです!その後話がもっと欲しい! (2020年10月18日 1時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
蟹@リアコぎみ - 続きがきになるwキヨさんとセンラさんの絡みが好き…尊い… (2019年11月13日 22時) (レス) id: 856e5af163 (このIDを非表示/違反報告)
咲栩(プロフ) - この後の物語も書いて欲しいです! (2019年9月14日 15時) (レス) id: 710252b720 (このIDを非表示/違反報告)
きゆ - いじけてるセンラ君が可愛いとやってることの面白さで最高ww (2019年8月30日 7時) (レス) id: a065501dc8 (このIDを非表示/違反報告)
いーろまりー - キヨくんの家でいじけてるセンラさん見てみたいwぜったいかわええ (2019年8月29日 20時) (レス) id: 684b075074 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:華恋 | 作成日時:2019年8月6日 20時

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