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「A君、」
エリス嬢が行ってしまった方向をジッと見つめていると、先程から羨望の視線で此方を見ていた首領がいた。
私は呼ばれたので短く、“はい、”と返事をすると、首領はすごい勢いで私の肩を掴んで言った。
「羨ましいよ!A君!」
「……はい?」
先程から何故だか神妙な顔をしていたので何かあったかと思えばこれ。
「エリスちゃんに抱き着かれるなんて、!!羨ましいよ!」
そう言って首領は私を抱き締めた。
「あの、首領?何故今私が抱き着かれているのでしょうか?」
「ハァー、エリスちゃんのにおいがする。」
……ウチの組織、この人が首領で大丈夫かな、
というか、こんな所治に見られたら────
「首領、何をやってるんですか。」
突然増えた声は温度を感じないほど機械的に聞こえたはずなのに、その人の出すオーラで部屋の温度は一気に15度位は下がった気がする。
聞き覚えのある声の方を見てみると、そこに居たのは私がエリス嬢と遊んでいる間に“双黒”として仕事をしてきた二人────治と中也
「ぁー太宰くん、落ち着きたまえ……」
流石にまずいと思ったのか、首領は私から離れて距離を取る。
「どういう事か、説明願います?」
にこやかに笑っている筈なのに、なんだろう。
この寒気は、
すでに治は我慢できなかったのか首領の額に銃を突き付け、絶対零度の目で首領を見ている。
「太宰くん、お願いだから落ち着いて。」
「落ち着く?私は落ち着いてますよ。ただ人が居ない間に大切な妻に手を出す不届き者を殺そうとしているだけです。」
まだ妻じゃないんだけど、
「あぁ、本当ありえない。ただでさえ男が、いや。老若男女全ての人類がAを見る事でさえ苛立つというのに話すだけでは飽き足らず触れ合うなんてありえない。殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すころすころすころすころすころすころすころすころすコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス」
途中から殺すしか言ってないなぁ。
治にしばかれる首領を見て私が今取るべき行動を考えた。
「中也、エリス嬢が戻ってきたら一緒におやつ食べようか。」
その後暫く、治から首領への嫌がらせが続いた。
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山猫(プロフ) - 夕霧さん» リクエストありがとうございます!リクエストは話の枠が足りないので続編にて作らせていただきます。 (2019年3月3日 20時) (レス) id: 78ed981431 (このIDを非表示/違反報告)
夕霧 - 探偵社で殺気全開の太宰さんが見たいです。 (2019年3月3日 20時) (レス) id: 6f35473dc5 (このIDを非表示/違反報告)
愛菜(プロフ) - リクエストで夢主がナンパされたらというのをやって欲しいです! (2019年2月28日 22時) (レス) id: f1715ab2ed (このIDを非表示/違反報告)
山猫(プロフ) - 夕霧さん» ありがとうございます!できる限り頑張って見ます! (2019年2月15日 23時) (レス) id: f0811da8b0 (このIDを非表示/違反報告)
夕霧 - この作品大好きです!続きお願いします! (2019年2月14日 22時) (レス) id: 6f35473dc5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:山猫 | 作成日時:2019年1月7日 21時