・ ページ24
“私は貴方を受け入れられません”
そう言いきった時の彼女は美しかった。
第一印象はぼんやりとした変わった女性。
僕が魔人であると知っていながら、それに恐れるどころか、第一声は“お腹が減りました。”
この言葉に少し気が抜け、同時に呆れたのを覚えています。
何故、この女性に太宰くんが執着するのかはその時は分かりませんでした。
しかし、意味は分からなくても、利用価値は十分にある。
そう判断して組織に持ち帰って見ると自分が思っていたよりもこの子は、
聡明で、一途で、美しかった。
けれど、彼女が見ているのは僕ではなく、僕によく似ている男。
そう思うと何だか、日本語で言うのなら“腸が煮えくり返る”ような感情が広まっていって、
利用しようと思いましたが、僕のものにならないなら、
それなら
そんな思考が出てきて、まるで人の心を巧みに掴み、操る悪魔のようだと思った。
僕はあまり動かなくなった、どこか狂った思考で手を伸ばす。
そうすれば、僕の異能が発動して彼女が、太宰くんの元に戻る事はないのだから、
そうして手を伸ばしかけた時、
「でも、」
先程の続きと思われる彼女の言葉が紡がれる。
「でも、貴方のことは“ただの友達”としてなら、受け入れてあげる。」
そして、突然紡がれた言葉は、あまりにも慈悲深く、無慈悲な罰だと、思った。
79人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「太宰治」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
山猫(プロフ) - 夕霧さん» リクエストありがとうございます!リクエストは話の枠が足りないので続編にて作らせていただきます。 (2019年3月3日 20時) (レス) id: 78ed981431 (このIDを非表示/違反報告)
夕霧 - 探偵社で殺気全開の太宰さんが見たいです。 (2019年3月3日 20時) (レス) id: 6f35473dc5 (このIDを非表示/違反報告)
愛菜(プロフ) - リクエストで夢主がナンパされたらというのをやって欲しいです! (2019年2月28日 22時) (レス) id: f1715ab2ed (このIDを非表示/違反報告)
山猫(プロフ) - 夕霧さん» ありがとうございます!できる限り頑張って見ます! (2019年2月15日 23時) (レス) id: f0811da8b0 (このIDを非表示/違反報告)
夕霧 - この作品大好きです!続きお願いします! (2019年2月14日 22時) (レス) id: 6f35473dc5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:山猫 | 作成日時:2019年1月7日 21時