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「……僕の事は受け入れられないのでは?」


此方に手を伸ばしてきていたフョードルさんは手を止め、疑問そうに此方を見ている。



「うん、受け入れられない。“恋愛としては”」


そう言うとフョードルさんは首を傾げる。


「治と同じように受け入れてしまえばきっと私は貴方を殺せない。



なら、私は、貴方を“ただの友達として”受け入れるよ。」



「……何が違うのですか?」



訝しげに此方を見るフョードルさん。



「“恋は盲目”って言葉、知ってる?人は何故か恋をすると盲目になってしまい、周りが見えない。そうして身を滅ぼしていく。だから貴方は恋愛としては受け入れられない


けれど、“ただの友達として”なら、たとえいつ敵になろうが、迷わず切り捨てられる。



だから、私はいつでも貴方を切り捨てられるように貴方を“恋愛として”ではなく、“ただの友達として”受け入れる。」



私がそう言うと、フョードルさんは近かった距離を離し、顔を背けながら溜息を吐いた。


「……フョードルさん?」


「……フェージャでいいですよ。僕の愛称です。」


「ではフェージャさん?どうかしました?」



愛称で呼ぶことを許してくれたので愛称で呼ぶとフェージャさんは語り出す。



「……なるほど、太宰くんが貴方に執着する理由が分かった気がします。」



突然の言葉に“え?”としているとフェージャさんは再びこちらを向き、何かを企むような笑みではなく、


ただ純粋に笑う。



「分かりました。もし、敵になるようなことがあればいつでも殺してくれて構いません。


“ただの友達として”よろしくお願いします。」



その笑みは“魔人”というにはあまりにも純粋で、やはりどこか治に似ていて、



「うん、よろしくね。」



早く治に会いたいなぁ、と思う反面、仲のいい友達ができた気がして嬉しく思い、そのままよろしくという意味を込めて握手をした。

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山猫(プロフ) - 夕霧さん» リクエストありがとうございます!リクエストは話の枠が足りないので続編にて作らせていただきます。 (2019年3月3日 20時) (レス) id: 78ed981431 (このIDを非表示/違反報告)
夕霧 - 探偵社で殺気全開の太宰さんが見たいです。 (2019年3月3日 20時) (レス) id: 6f35473dc5 (このIDを非表示/違反報告)
愛菜(プロフ) - リクエストで夢主がナンパされたらというのをやって欲しいです! (2019年2月28日 22時) (レス) id: f1715ab2ed (このIDを非表示/違反報告)
山猫(プロフ) - 夕霧さん» ありがとうございます!できる限り頑張って見ます! (2019年2月15日 23時) (レス) id: f0811da8b0 (このIDを非表示/違反報告)
夕霧 - この作品大好きです!続きお願いします! (2019年2月14日 22時) (レス) id: 6f35473dc5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:山猫 | 作成日時:2019年1月7日 21時

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