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────頭突きをした。



「、ッ!」



いきなりの頭突きに頭を押さえるフョードルさん。
……一応言っておこう。私自身もすごく痛い。死にそう。



「いきなり、なにするんですか」


相当痛いのか目に涙を浮かべている。
私も痛いのだけど、それを我慢して“フョードルさん”と呼ぶと頭を擦りながらも私を見る。



「私は貴方を受け入れられません。」



そう言うと少しだけ、目を見開いたフョードルさん。


「ロシア語、分かるんですか?」


「少しなら。」



そう、フョードルさんは私が目を閉じて頭突きの準備をした時、とても小さな声で“僕を受け入れてください”とロシア語で言った。



「……私は貴方を受け入れる事は出来ない。だって、私と貴方は敵同士。もし、この先歩んでいく道が交わる時、それは貴方と戦う時。


けれど、もし私が貴方を受け入れてしまったらきっと私は貴方を殺せない。」



“貴方と治はよく似ている。”
その言葉に黙って話を聞いていたフョードルさんが少しだけ体を動かす。



「その異常にキレる頭とか、自分の心を決して読ませない飄々とした性格とか、けど、一番似てるのはあなた達の目だと思った。」



「目、ですか…」


今まで黙って聞いていたフョードルさんは初めて言葉を挟む。


「そう。貴方達の目はよく似ている。治や貴方が見せる深い闇の目、


それはまるでただ生まれもってしまった空虚な生を壊すタイミングを探すように、このつまらない世界の出口を探すように、真っ暗な闇の中、出口のない出口を探しているように見える。」



そう言うとフョードルさんは少しだけ目を見開いた。

そんな所まで似てるな、なんて思う。



「治に似ている貴方、貴方に似ている治。
きっとどちらも私は受け入れられる。」


静かに目を閉じて、言うべきことを考える。



「けれど、もし、貴方を治と同じように受け入れてしまえば、貴方と戦う日が来た時、私は貴方を切り捨てることに一瞬だけ迷ってしまう。


そんなのは嫌だ。」



私が一番大切なのは、



「私が一番大切なのは治一人でいい。治一人がいい。そのために、どんな状況でも私は一瞬の迷いもなく治だけを助けたい。だから、ここで私はハッキリと言う。」



目を開き、目の前の魔人のを目見て言う。









「私は貴方を受け入れられません」

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山猫(プロフ) - 夕霧さん» リクエストありがとうございます!リクエストは話の枠が足りないので続編にて作らせていただきます。 (2019年3月3日 20時) (レス) id: 78ed981431 (このIDを非表示/違反報告)
夕霧 - 探偵社で殺気全開の太宰さんが見たいです。 (2019年3月3日 20時) (レス) id: 6f35473dc5 (このIDを非表示/違反報告)
愛菜(プロフ) - リクエストで夢主がナンパされたらというのをやって欲しいです! (2019年2月28日 22時) (レス) id: f1715ab2ed (このIDを非表示/違反報告)
山猫(プロフ) - 夕霧さん» ありがとうございます!できる限り頑張って見ます! (2019年2月15日 23時) (レス) id: f0811da8b0 (このIDを非表示/違反報告)
夕霧 - この作品大好きです!続きお願いします! (2019年2月14日 22時) (レス) id: 6f35473dc5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:山猫 | 作成日時:2019年1月7日 21時

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