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「ね、そう思いますよね?」
私が何も言わないからか、新人は嬉しそうに此方をニコニコとしながら見てくる。
「……ハッ、貴方、随分と可哀想な頭してますね。」
何故、治を愛している私にそれを言って同意がもらえると思ったのか、不思議で仕方ない。
私が嘲笑ったからか、新人は困惑を顔に浮かべる。
「……治は確かに誰が死のうと構わないだろうね。例え目の前で人が死のうと、知らない場所で死のうと、治はただボッーと眺めているだけだよ。」
きっと、その通りだと思う。治は誰かに対して感情を抱くことが少ないから、
「けど、だからといって作戦を立案する時、いい加減な案は出さない。無駄な死者を出さないためだよ。その為に治は貴方の、貴方達の知らないところで一人でも死ぬ人間が少ないように策を練ってる。」
ふと思い出すのは首領からの指示により、ありとあらゆる場所の作戦を練っていた治の姿。
そして全てが終わったあと、普段からは信じられないほどあどけない寝顔で疲れ切って眠る治の姿。
「所詮いいのは頭と顔だけ?体術は全然?馬鹿なこと言わないで。確かに治は体術は苦手だけど人並み以上には出来る。
それに、周りにどんだけ冷酷と言われようと私は知ってる。治がとっても優しいことを。」
治は優しい。
まだ異能も何も知らなかった時、
私は明らかに私が狼を出して親を殺してしまった。
けど、その現場を治は見ていたにも関わらず、私とずっと一緒に居てくれた。
ずっと、私を支えてくれた。
あの地獄から、抜け出してくれた。
……どれだけ周りが冷徹冷酷と言おうと、悪魔と言おうと、私にとっては“とっても優しい男の子”だ。
だから、
「私の最愛の人を、貶さないで」
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山猫(プロフ) - 夕霧さん» リクエストありがとうございます!リクエストは話の枠が足りないので続編にて作らせていただきます。 (2019年3月3日 20時) (レス) id: 78ed981431 (このIDを非表示/違反報告)
夕霧 - 探偵社で殺気全開の太宰さんが見たいです。 (2019年3月3日 20時) (レス) id: 6f35473dc5 (このIDを非表示/違反報告)
愛菜(プロフ) - リクエストで夢主がナンパされたらというのをやって欲しいです! (2019年2月28日 22時) (レス) id: f1715ab2ed (このIDを非表示/違反報告)
山猫(プロフ) - 夕霧さん» ありがとうございます!できる限り頑張って見ます! (2019年2月15日 23時) (レス) id: f0811da8b0 (このIDを非表示/違反報告)
夕霧 - この作品大好きです!続きお願いします! (2019年2月14日 22時) (レス) id: 6f35473dc5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:山猫 | 作成日時:2019年1月7日 21時