最愛の人 ページ6
それは、首領に提出する報告書を書き終えた後の突然の出来事だった。
「あ、あの!Aさんですか!?」
「?はい、そうですが…」
「あの、ファンです!」
首領へ報告書を提出し、部屋で疲れて寝ている治の元へ帰ろうとした時、声を掛けられたのだ。
…つい先日ポートマフィア構成員皆殺し事件が起きたばっかりだというのに私に声をかけるなんて、
命知らずなのか、新人さんなのか…もしくは自 殺嗜好なのかどれだろう。
そう
「異能である狼を自在に操り、指示を出す姿が凛々しくてとても素敵ですッ!」
なんて声が聞こえてくる。
わー治が聞いたら怒りそう。
とりあえず、治が起きる前に、治に見つかる前にこの場を立ち去ろう。
そう思い背を向けると後ろから先程の高揚した声とは一変、落ち着きを取り戻した声で言う。
「でも、不思議ですね……」
“何が?”と聞く前に新人さんは言う。
「貴方みたいに素敵な女性がどうしてあんな男と交際してるんですか?」
“あんな男”この言葉で立ち去るはずだった私の足は止まる。
「……どういう事ですか、」
少し、怒りながら聞いた。
けれど新人はそれに気付いていないようで、ペラペラと話し出す。
「だってそうじゃないですか。太宰幹部って確かに頭はいいけど体術は全然だし、所詮いいのは頭と顔だけでしょ?それにあの人、誰が死のうと悲しむこともせずただボッーと見てるんですよ?まさに冷徹冷酷。悪魔のような男だ。あんな男に悲しむような心なんてあるとは思えないな〜。」
自分の意見だけを次々と言っていく男に嫌悪感が募っていく。
……こんな時だけ、私の表情が変わらない事に感謝する。
きっと、表情が簡単に変わるようだったら今頃私の顔は怒りで満ち溢れて見れたもんじゃない顔をしていただろうから。
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山猫(プロフ) - 夕霧さん» リクエストありがとうございます!リクエストは話の枠が足りないので続編にて作らせていただきます。 (2019年3月3日 20時) (レス) id: 78ed981431 (このIDを非表示/違反報告)
夕霧 - 探偵社で殺気全開の太宰さんが見たいです。 (2019年3月3日 20時) (レス) id: 6f35473dc5 (このIDを非表示/違反報告)
愛菜(プロフ) - リクエストで夢主がナンパされたらというのをやって欲しいです! (2019年2月28日 22時) (レス) id: f1715ab2ed (このIDを非表示/違反報告)
山猫(プロフ) - 夕霧さん» ありがとうございます!できる限り頑張って見ます! (2019年2月15日 23時) (レス) id: f0811da8b0 (このIDを非表示/違反報告)
夕霧 - この作品大好きです!続きお願いします! (2019年2月14日 22時) (レス) id: 6f35473dc5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:山猫 | 作成日時:2019年1月7日 21時