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74話 ページ41

久作君から少し離れた路地裏で足を止める。



「……何か御用ですか?ここなら安心してお話出来ますよ。」



路地裏に響く自分の声。


「……へぇ、やっぱり気付いてたんだ。あんまりにも反応してくれないから気付いてないと思ってたよ。」



「……貴方は確か、」


私の声に反応し、路地裏から出てきたのは


「そう。僕はギルドの一人、ジョン・スタインベックだ。」



「……そんなギルドの一員さんが私に何の用で?」



ニコニコと作られた笑顔で笑う目の前の男に嫌気がさし、話を進める。



「日本の女性は冷たいなぁ〜。……僕がここに来たの一つ目の理由は勧誘さ。」


「……勧誘?」



思わぬ言葉に思考が動きを止める。


「そう。勧誘だ。うちのボスが君みたいな優秀な異能力者が欲しいと言ってね。全く、困ったものだよ。」



やれやれと呆れる男は“それで、どうするの?”と聞いてくる。



「答えはNoです。行くはずがありません。」


「おや、冷たい。少しくらいは、悩んでもいいんじゃないの?」


「悩むまでもなく嫌という訳です。」



そう言うと目の前の男は笑った。


「本当に冷たい。せっかく助けてあげたというのに。」


「……助けた?」



何かがおかしい、
頭の中で呟く。


奴は言った。
“僕がここに来た一つ目の理由は勧誘さ”と。


「……一つ目の、理由…!」


ある事に気付いた私は男を睨み付けるが男はもう遅いと言うように嗤う。



「、貴方、久作君をどうしたの…!?」


「さぁ?今頃ラブクラフトが捕獲してるんじゃないかな?」



そう、この男の目的は一つだけでは無い。
この男の二つ目の目的は、私と久作君を引き離し、久作君を捕らえることだ、



「っ!」


今頃になって気付く自分に嫌悪を感じるが、それを感じている場合では無いので、急いで久作君の元へ行く。



後ろから“勧誘の件は本当だから考えといてね〜”という声が聞こえたが、私は走り続けた。



━━━━━━━━━━━━━━━


「、っ!」


急いで久作君の元へ戻るがそれは遅かったようで、久作君は元いた場所には何処にもいなかった。





「っ久作君、久作君っ!?返事をして、!久作君!!」


けれど、それでも諦めきれず、大声で叫ぶように久作君を探すが久作君が見つかることは無かった、

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山猫(プロフ) - ゆちよきしさん» 全然大丈夫です!もう描いてもらえるだけで本当にありがたいんで!! (2019年2月27日 23時) (レス) id: 8fa618dd04 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちよきし(プロフ) - 山猫さん» 了解です!少し絵柄が違うかもしれませんが、その時はすみません... (2019年2月27日 22時) (レス) id: 74d3721888 (このIDを非表示/違反報告)
山猫(プロフ) - ゆちよきしさん» 描いてもらえるだけで本当に嬉しいのでどちらでも大丈夫です!描いてくれて本当にありがとうございます! (2019年2月27日 22時) (レス) id: 8fa618dd04 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちよきし(プロフ) - 山猫さん» 夢主ちゃんのことなのですが...4年前と現在の姿は別々のイラストが良いですか?それとも一緒の方が良いですか?2パターン描いてはいるのですが... (2019年2月27日 22時) (レス) id: 74d3721888 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちよきし(プロフ) - 山猫さん» 了解です!いえいえ!!ありがとうございました! (2019年2月19日 8時) (レス) id: 74d3721888 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:山猫 | 作成日時:2019年2月9日 14時

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