44話 ページ4
ある日、私は買い物帰りに川沿いの道を歩いていた。
……のだが、
「、ぉおと、おと、なしくし、しなさぁ、い!」
めちゃくちゃ吃っている恐喝犯(?)にあった。
「、ぇえっと、か、金を出せ!も、もしくはしょ、食料ででも、よ、し!」
吃りすぎて分かりにくいが恐らく、
“大人しくしなさい。”
“えっと、金を出せ!もしくは食料でもよし!”
と言ってるのだろうか?
「ぁあ、の、!やっぱりだめでしょうか……」
それにしても……腰の低い恐喝犯だなぁ。
ここまで来ると上げようかと思えてくる。
「……」
シュン、とした様子で小さくなっているボロボロの服を着た男の子。
「……ハァ、ちょっと待っててね。」
「、え…?」
先程スーパーで買ってきたものはニンジン,ジャガイモ,タマネギ,等しか無くて食べれないので少しだけ待っててもらう。
ちなみに今日の晩飯はカレーである。
────
──
─
「ハフ、おいひいでふ!」
すぐそこのコンビニで買ってきた肉まんを上げると男の子は喜んで貪るように食べた。
「……ゆっくり食べよ。喉に詰まっ」
「んぐ、!」
「……遅かったね。」
あららと言うふうに見ていたら“助けてください!”というような視線を貰ったので肉まんと一緒に買ったお茶を渡す。
「ゴクン、ハァ、ありがとうございました!お陰で餓死免れました。」
“良かったね。”と笑うと彼も“はい。”と言って笑う。
「あ、僕中島敦って言います。……あの、貴方は…?」
「……山田花子?」
一応マフィア幹部の補佐なので本名を明かすのは不味いかと思い、適当な名前を言うと、“花子さん!本ッ当にありがとうございました!”と言われる。
……信じたのか、この子。明らかな偽名なのに。この先大丈夫かな?
「花子さん?どうかしたした?」
騙したというのに純粋無拓のような目を向けられ、心が痛む。
「…ごめん、花子って偽名だから。」
「、ぇえ!!」
なぜ驚く。
というか何故信じたんだろう。
偽名の最後に?までつけたのに。
「ごめんね、敦君。名前を教えるのはまた機会があったら、って言うことで。」
そう言ってその場を離れると後ろから敦君の呼ぶ声が聞こえたけれど、私はそれを聞こえないふりをしてその場を去った。
────今考えてみれば、その場を離れて正解だったと思う。
だって、もう少し長くそこに居れば、
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山猫(プロフ) - ゆちよきしさん» 全然大丈夫です!もう描いてもらえるだけで本当にありがたいんで!! (2019年2月27日 23時) (レス) id: 8fa618dd04 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちよきし(プロフ) - 山猫さん» 了解です!少し絵柄が違うかもしれませんが、その時はすみません... (2019年2月27日 22時) (レス) id: 74d3721888 (このIDを非表示/違反報告)
山猫(プロフ) - ゆちよきしさん» 描いてもらえるだけで本当に嬉しいのでどちらでも大丈夫です!描いてくれて本当にありがとうございます! (2019年2月27日 22時) (レス) id: 8fa618dd04 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちよきし(プロフ) - 山猫さん» 夢主ちゃんのことなのですが...4年前と現在の姿は別々のイラストが良いですか?それとも一緒の方が良いですか?2パターン描いてはいるのですが... (2019年2月27日 22時) (レス) id: 74d3721888 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちよきし(プロフ) - 山猫さん» 了解です!いえいえ!!ありがとうございました! (2019年2月19日 8時) (レス) id: 74d3721888 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:山猫 | 作成日時:2019年2月9日 14時