57話 ページ20
無事、裏切り者の粛正という任務は完了し、長い道のりを経て帰ってきたはいいが……
何故だか兄さん頑張って私と目を合わせてくれない。
私が居ない間に何かあったのか聞いても“何も無い”の一点張りのくせに少し気まずそうな、心配そうな視線をよこすのだ。
そうして少し様子のおかしい兄さんを様子見する事にし、街を散歩していると……
「国木田さん！僕には無理です、あんなやり方！」
と少しだけ聞き覚えのある声がした。
声の方を見てみると前髪が斜めな白髪の少年、敦君が牛丼屋の前で電話していた。
暫く何かを話しているが、電話が終わると腑に落ちないような顔で疲れきっていた。
……声をかけるべきか、かけないべきか、
一応顔見知りとはいえ一度会ったくらいだし、そもそも彼は探偵社に入ったと聞く。
だったら敵同士だから放っておくべきか…
そう結論づけ、回れ右をして帰ろうとするも、
「あ、あの！……は、花子さんですか？」
先に話しかけられてしまった。
「いいえ、花子じゃないです。牛子です。立派兄さんなったね、敦君。」
「じゃぁやっぱり、あの時の…！今度こそ本名ですか！？」
「偽名です。」
餓死しかけていた敦君が立派になったことに少し感動し、名前を呼ぶと嬉しそうな表情をしたが、偽名だと言うとすぐに落ち込んだ。
喜怒哀楽が激しいな……
ついでに言えば牛丼屋の前にいたので牛子である。
「また会えて嬉しいです！僕、ずっとあの時の御礼がしたくて……」
「肉まんなんて安いんだから気にしなくていいよ。」
「で、でも……」
そんなに御礼がしたいのか、敦君はしゅん、と効果音が着きそうなほど悲しそうだ。
「じゃぁ、もし、次会えたら、クレープ奢って。」
「……へ？クレープですか？」
「うん、私クレープ好きなんだ。」
途端に明るくなる顔。
「分かりました！必ず奢ります！」
尻尾があるなら絶対左右に凄い揺れてたと思う。
めちゃくちゃ嬉しそうだ。
とりあえず、今日は大怪我して倒れている芥川君のお見舞いとして無花果を買いに来ただけなので、これで失礼させてもらう。
……見えなくなる最後の最後まで手を振ってくれて、少しだけ嬉しかった。
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山猫(プロフ) - ゆちよきしさん» 全然大丈夫です！もう描いてもらえるだけで本当にありがたいんで！！ (2019年2月27日 23時) (
レス) id: 8fa618dd04 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちよきし(プロフ) - 山猫さん» 了解です！少し絵柄が違うかもしれませんが、その時はすみません... (2019年2月27日 22時) (レス) id: 74d3721888 (このIDを非表示/違反報告)
山猫(プロフ) - ゆちよきしさん» 描いてもらえるだけで本当に嬉しいのでどちらでも大丈夫です！描いてくれて本当にありがとうございます！ (2019年2月27日 22時) (レス) id: 8fa618dd04 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちよきし(プロフ) - 山猫さん» 夢主ちゃんのことなのですが...4年前と現在の姿は別々のイラストが良いですか？それとも一緒の方が良いですか？2パターン描いてはいるのですが... (2019年2月27日 22時) (レス) id: 74d3721888 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちよきし(プロフ) - 山猫さん» 了解です！いえいえ！！ありがとうございました！ (2019年2月19日 8時) (レス) id: 74d3721888 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山猫 | 作成日時：2019年2月9日 14時
