ぽちゃ子の恋物語。番外編

一年記念日。その２ ページ6

ガチャー…




再び寝室の扉が開く音がして


慌てて、布団の中で涙を拭う






ニカ「千賀…千賀…顔見せて…」




その問いかけにも答えずに、布団に潜ったまま





ニカ「……………健永」





ドキッー…





そう呼ばれて、思わず布団から顔を出した









ニカ「やっと出てきた……、泣いてんじゃん」






ベッドの端に腰を下ろして


目尻から溢れた涙、優しく親指で拭ってくれる









ニカ「…めんどくさいとか言ってごめん

せっかくご飯作ってくれたのに好き嫌い多くてごめん

後片付け任せてテレビ見ててごめん

あと………泣かせごめん」







なんだ…全部気づいてくれてたんだ………







眉毛を八の字にして、謝る二階堂が

たまらなく愛おしくて


身体を起こして、ぎゅっと抱きしめた







千賀「ニカ…俺こそごめん…素直になれなくて…」




ニカ「健永…ちょっとここに座って」





ベッドの端にちゃんと座り直すと



ニカが目の前に片足ひざまずいて

俺を見上げる









ニカ「…………健永、これからもずっと一緒にいて下さい」







パカッて目の前で開けられた小さな箱には



同じデザインの指輪がふたつ。








千賀「ッッ、……」





驚いて言葉を失う俺に、ニカは恥ずかしそうに

“指輪はめてみて”って急かす









千賀「ッ、ぴったり…」



ニカ「ペアリング。記念日のプレゼントだから」



千賀「えっ…ニカ…覚えてくれてたの…？」




ニカ「あったりまえじゃん。ずっと“もうすぐ記念日”って誰かさんに言われてたし」





ニヒヒって笑いながら俺の隣に腰を下ろす






千賀「…ありがとうニカ「ニカじゃないだろ？」



千賀「えっ…？」



ニカ「…俺さっきから、健永って呼んでんじゃん…」





千賀「………た、高嗣…////」




ニカ「何、今更照れてんだよっ」



千賀「だって…////」



ニカ「クックッ、耳まで真っ赤…可愛い」





ゆっくり高嗣の顔が近づいてくるから



必然的に目を瞑った。






そのまま、なだれ込むようにベッドに組み敷かれて



奥の奥まで愛されたのは言うまでもない。









不穏な空気から始まった一年記念日だったけど





やっぱり俺は高嗣が好きだし


これからも、俺ららしく進んで行こうかなっ





みんなも、ずっと応援してね？





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