【ntj組】店員様は女神様。【pn】 (ページ9)

今日:15 hit、昨日:14 hit、合計:1,305 hit

ページページ9

︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
　就業時間を終えた私は、ケーキショップに立ち寄った。色とりどりのケーキたちが鮮やかに煌めき、香りが幸せを運んでくる。香ばしいチーズケーキを選択すると、崩れてしまわないよう慎重に、けれど心を弾ませながら帰路についた。
　

　私の住まいは賃貸のマンション。最寄り駅から多少距離はあるものの、その分家賃は抑えられ一人暮らしの身には有難い物件だ。

　入口の扉を開き、更に内側のガラス扉をエントランスキーで解除する。ポストは立ち入ってすぐの左手。私はあまり高い階層では無く、部屋番号順に並んでいるポストを開ける時は膝を曲げなくてはいけない。慣れた手つきでひんやりとしたポストを開くと、そこには水道局からのお知らせと、見覚えのある封筒が入れられていた。
　封筒の厚紙が膨らんでおり、キャパシティを超えているのだと分かる。宛先も差出人も一切の記載は無い。言わずもがな手紙の風貌を呈したそれは、昨日紙袋に潜まされていたものと同一のものだ。
　

　最悪の事態を想定して、指先から力が抜けていく。左手に支えられていたケーキ箱の中が、ぐちゃりと音を立てたような気がした。

次ページ→←前ページ