【ntj組】店員様は女神様。【pn】 (ページ13)

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　一日の就業時間を終えた私は近くの喫茶店へと立ち入った。あの3人との待ち合わせ場所である。退勤までは時間もあり日を改めても良かったのだが、向こうのご好意に甘えお待ちしてもらう運びとなっていた。

　からころと音を鳴らし入店する。落ち着いたジャスが耳をくすぐり、足取りとの対比が面白い。店内を見渡すと、観葉植物が置かれた窓際の席に三人の姿が見えた。

「えっと、この人がぺいんとさんなんですけど」

　
　しにがみと名乗った人物のスマホが、笑顔のとある男性を映し出す。それは紛れもなく、あのお客様と同一人物のようだった。同一人物だった、と断言しないのは、どうしてもこの屈託のない笑顔と、幾度も目の当たりにした彼が同じ人物であると納得出来なかったからだ。纏う雰囲気の違和感が、どうしても腑に落ちてくれなかった。

「あの日から、ぺいんとさんの様子がおかしくて……お願いです、何か知っていることがあれば教えて貰えませんか！？」

　あの日、とは彼らが私の勤務先にやってきた日を指す。曰く、あの日あの場所で私を見かけてから彼の言動が変わってしまったそうだ。
　変わってしまった、という曖昧な表現の詳細を尋ねれば、ろくに外出もしなかったのが毎日昼食を取りに出掛けたり、あからさまなプレゼントを購入したり、金回りが貧相になったりしたのだという。猜疑心は確信に変わり、同時に友人だと名乗る目の前の三人にも僅かに恐怖が芽生えた。

『その、ぺいんとさん？の事なのですが』

　私は彼の懸命さに報いようと、今までの一連の流れを事細かに彼らに告げた。初めから浮かない顔だった二人は言わずもがな苦虫を噛み潰したような態度となり、例の必死な彼はあからさまに気を落とした。よく見ると、瞳が潤んでいるようにも見える。

　少々の沈黙が流れた後、体格の大きなうちの一人、トラゾーと名乗った男性がグラスの水を一気に飲み干し、ガラスと机の衝突音で沈黙を割いた。