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「いれていい?」





つい1秒前まで優しい顔をしていたのに、そんな切なげな顔をされては困る。
恥ずかしさや遠慮なんて、もう何も考えることが出来ないんだと分かってしまった私は小さく頷いたが、どうしても目の前で避妊具をつける姿やそれ自体を見ることはできなくて、たった数秒で終わったその時間がとても長く感じた。
ついに来るんだ、痛いんだろうなとフワフワする意識の中で考えていると、再び彼から口づけが落とされる。




「A、好き」

「ゆっくり息吐いて。少しはマシらしいから」




言われた通りに深呼吸するが、それでも感じる痛みと圧迫感に思わず顔をしかめてしまって、縋るように目を開けた。





そこには、同じように顔をしかめた彼がいた。





でもきっと意味は違うんだろう。
薄く開いたその口から漏れている息や私を見たその視線が、経験のない私でさえ分かるくらい熱に浮かれているようで、そしてそんな彼を直視してしまった私も、痛みの中に熱さを見つけてしまったのだった。
彼はひとつ大きく息を吐いた後、私と目を合わせて大丈夫?と聞いてくれて、その色っぽい声にもドキッとしてしまった上に、触れるか触れないか分からないくらい優しく頬を撫でられて更にキュンとさせられる。


正直、ピリピリと痛む感覚は無くなる気配がないけれど、それを上回る充実感と幸福感に満たされていた。
彼の問いに頷くと、ごめんけど余裕ないから頑張ってと私にはどうしようもない言葉が返って来て、思わず反論しようと口を開きかけたところで動き出した彼に、文句どころか嬌声しか出なくなってしまった。

それでも、私の声の合間に聞こえる彼の声や息遣いに、私も融けてしまって、これ以上ないくらい彼を愛しいと感じてしまう。




『んっ……れ、ん』

「っ!……はぁ、あ、お前、反則やろ…」




好きで好きでたまらなくて、普段呼ばない名前を呼ぶと、彼の声も表情も雰囲気も一変してしまって、もう無理やばい、と切羽詰まったように告げられて激しくなった刺激に何も考えられなくなり、ただ彼にしがみついた。









この愛しさも羞恥心も充足感も痛みも全てをあなたへ。



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終わり ログインすれば
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←君に捧ぐ(一本道で迷子)*



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ぱぴこ(プロフ) - ルール嫁さん» ご指摘ありがとうございます!他の作品と同じ設定にしていたため気づきませんでした…申し訳ありません!作品を非公開にしましたので、今後ともよろしくお願いします! (2019年6月29日 2時) (レス) id: 1c0a7a2bdd (このIDを非表示/違反報告)
ルール嫁 - 占ツクのルールはご存知ですか?行為は匂わせるだけでアウトです。裏表現があるなら注意書ではなくフラグをたててくださいね。 (2019年6月29日 0時) (レス) id: 64f9aae3e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱぴこ | 作成日時:2019年6月19日 6時

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