失恋10回目 ページ10
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「おはよー！」
『おはよ！今日も失恋した！』
「はいはい、毎日おつかれさま」
いつも通りの挨拶を交わして教室に入る。
「そうえば、お昼ごめんね。
3年の先輩たちに大会前に何かプレゼントしようってなったんだけど、部活中には話せない内容だからさ〜」
『全然！なんかいいね、高校生ってかんじ』
「また私で青春楽しんでるでしょ！」
軽く小突かれながら授業の準備をする。
グラウンドでは1限から体育をするらしいクラスが準備運動をしていた。
その中に神宮寺くんと永瀬くんを見つける。
なるほど、確かにカッコいい。
集団の中にいても目立つスタイルの良さ、それだけでなく顔も良いし、クラスの男子といたずらし合うあの笑顔。
強豪校の試合となれば、必死だろうし真剣だろうし、カッコよさは倍増し、そりぁ他校にもファンクラブが出来るな〜と納得がいった。
私は本当に何も知らなかったらしい。
昨日少し話しただけなのに、存在を知ってしまったら最後、嫌でも目につく存在感だった。
昼休み、クラスの友達と昼食を済ませたあと、購買に飲み物を買いに行く。
お茶を持ってレジに並ぶと、後ろから声をかけられた。
「……よお」
『………………よお』
見ると、両手いっぱいにパックジュースを抱えた永瀬くんが何とも言えない表情で並んでいる。
購買の外では、永瀬先輩だ〜と1年生の女の子たちがこちらを見ながら通り過ぎていった。
『え、パシられてんの？イジメかい？』
「違うわあほ！じゃんけんで負けて罰ゲーム」
『すぐあほあほ言うな！』
「…………うっさいわ ボケ」
『え、何、なんか一言付けないと死んじゃうの…？』
「あああー、もう、ほんま黙って」
パックが落ちそうになりバランスを取り直す。
『少し持ってあげようか？』
怪訝そうな顔をしつつ、彼は ん、といくつかのパックを差し出した。
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作者名：ぱぴこ | 作成日時：2019年5月30日 22時
