一本道で迷子 (ren.n) (ページ9)

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失恋9回目ページ9

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「Aちゃん、おかえり」

『ただいま』

今日はどうやら一日中家にいたらしい。
少し驚いたものの、先生がこの家に来て半年間でかなり鍛えられた。

『今日は家にいたの？』

「そー。コンビニしか行ってない」

アイス買ってきたから食べる？と笑顔で私に接してくれる先生は、私の気持ちには気づいてないのだろう。

ソファで並んで録画していたバラエティを見ながらアイスを食べていると、先生と恋人同士なんじゃないかと錯覚する。
家庭教師だった頃は知らなかった、ソファで三角座りをするところや、CMソングを全力で歌うところ…
一緒に生活していると、どんどん好きなところが増えていって困る。

『このドッキリやばいね～、めっちゃ怖い！！』

「ええ～Aちゃんこんなのでビビってたらお化け屋敷とかダメでしょ～』

『お化け屋敷とか絶対に無理…！！』

「よし、今度遊園地行こう」

『入場したら別行動ね』

「大丈夫だって～～手繋いでてあげるから』

『……え、』

「ただいまー！」

そんなふわふわした時間も姉の帰宅と共に終わりを告げ、私は現実に帰ってくるのだ。
今日も失恋、おつかれさま私。

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