真夜中21回目 ページ21
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「なあ、いっつも放課後なにしよんの？」
『え〜特に何もしてないよ。
お母さん遅い時は晩御飯作ってるくらいで
部活も入ってないし、バイトもしてない。
あ、火曜日だけフットサル行ってる。』
「え、フットサルしとるん？ガチか」
『小学生まではサッカーしてたんだけど、中学になったらサッカー部は男子しか入れなくてさ。だから校外のフットサルサークルに変えたの。室内だから日焼けしないし』
「サッカー部のマネすればええやん」
『やだよ。見てたら私もしたくなるもん』
「まぁな〜、分かるわ〜。
俺も、本当は怪我しても手伝いに来いって言われてんけど、見とったらしたくなるし休みにしてもらったわ」
『永瀬くんポジションどこなの？』
「左サイドバック。ついでにエース」
『ふふ、自分で言うんだ』
「ほんとのことやもん。
やから早よ怪我治して試合出らんと」
『良いよね〜the青春ってかんじ』
「お前も、……もう青春したらええねん」
『…………出来るかな〜』
「できるできる〜」
『うっわ、投げやり』
「まあ、出来るやろ。
今日泣いてないってことは、もうそんなにガチ失恋って感じでもないわけやろ？」
『うん。なんかそんな気がしてきた。
てか爆走したらスッキリした』
「迷惑な吹っ切り方やな〜」
『うるさい』
「ああ？今すぐパーカー脱げや」
『すいませんごめんなさい』
「ほんま、ファンの子ら知ったら発狂するで…
あ！お前俺のパーカー売ったりするなよ！』
『え！売れるの！？』
「売れるやろ！俺やで！？」
『何その自信！清々しすぎて尊敬するわ…』
「モテる男は辛いわ〜〜」
『うわー失恋してる幼気な女の子の前でそれ言うかね』
「俺の名前知らんかった仕返しや」
『仕方ないじゃん。先生以外興味なかったんだから』
「いや〜、ほんと凄いわ…一途というか重いというか…」
重いって初めて言われた。
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作者名：ぱぴこ | 作成日時：2019年5月30日 22時
