過去 ページ5
水穂の過去編入ります
*・゜゚・*:.。..。.: *・゜゚・* :
「まま〜!
わたし、オオカミさんとあそんでくるね!」
「気をつけなさい。
遅くならないように帰ってくるのよ?」
家の奥から現れた女性…水穂の母親はそう言ってまた台所に戻って行ってしまった。
水穂の家は森の中。
母親は魔法使い、父親は狼系獣人…という異色の夫婦の間に生まれたのが水穂だ。
そして、水穂は森の奥へと向かった。
しばらく森の奥へと足を進めていると、サクザク…と落ち葉の上を、何かが歩く音がするのが聞こえた。
「(…?この歩き方…、聞いたことない。
うさぎさん…は、違う。狼や狐は足音を立てない…。じゃあ初めて会う動物さんかな…?)」
そう思いその物事の方向へ、水穂は足を進めようとした…が。
『水穂、いいか?
パパと会ったことない動物には近づいちゃいけないよ?』
父親が、そう言っていたことを思い出した。
そしてそれと同時に、その足音の正体が何か分かってしまった。
「人間だ…!」
その場から水穂は走って逃げ出した。
森の中に人間が来る理由。それは動物を捕まえるため。生きていくには仕方ない…。
だが、それだけでは水穂が逃げる理由にはならない。
奴.れいとして"獣人"は高く売れるのだ。
獣人は人間や吸血鬼などとは違い、結構新しい種の生き物。
人間に獣の耳や尻尾が生えている"獣人"というものは人間や、その他の生き物からしても珍しい。
美しい尾や耳を保たせ、見せ物にするものだっている。
獣人は人と動物を掛け合わせている為、人間よりも能力は素晴らしい。そのために護衛にするものだっている。
だが、どんなに人間の役に立とうが、人間の支配下となってしまった獣人には自由など存在しない。
もし、これが普通の狩人なら、動物だけをとっていくだろう。
だが、もし、獣人を狩るための狩人だったら…?
「はぁ、はぁ……にげなきゃ、おうちまで…!」
幸いにも、水穂は足の速さには自信があった。
家も少々遠いがこのまま行けば襲われる事はないだろう。
ダッターン!
その時、銃声が森に鳴り響いた。
鳥が鳴きながら木々から飛び上がり、森が騒いだ。
その時、人影が見えた
さっきの足音とは違う人物。
「ちかい…」
水穂は見つからないように木の後ろに隠れた。
ちらっと様子を伺ってみると、見える距離に大きい鳥や、獣がいるにもかかわらず銃を向けようとしない。
「このひと…
85人がお気に入り
「歌い手」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:朧月 天音 | 作成日時:2020年12月10日 19時