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連れ去られた ページ1

「ここ…どこ…?」

水穂は見知らぬ部屋に連れてかれていた。
知らない場所、知らない匂い…。
五感で感じるすべてが知らない場所、いつもだったらどんなところに来たって皆がいた。

怖くは無かった。
けれど今は…

「ひとりだ…。」

その事実に水穂の心臓がどくん、と音を立てた。

「(嫌だ…また、1人になるの?
帰りたい。みんなのいる場所へいきたい…)」

鼻がつん、と痛み、視界が歪んだ。

「みんなぁ…ぐすっ…」

涙が溢れて止まらない。
檻に閉じ込められているし、出れないことは確定だ。

身体が冷たく、水穂は石になったような気分だった。
その時、背中に温もりを感じた。

「大丈夫。大丈夫。」

水穂は耳と耳の間の頭を撫でられた。

とにかく、何かに縋りつきたかった。
この寂しさを、恐怖を、誰かに支えてもらいたかった。

優しい声と、優しい手つき。
今まで味わったことのない、温もりが水穂を包んだ。

「怖い…、ひくっ、うぅ…」
「俺がいるで。大丈夫。」

「(あぁ、温かい)」

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設定タグ:浦島坂田船 , 歌い手 , となりの坂田,あほの坂田   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:朧月 天音 | 作成日時:2020年12月10日 19時

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