妹、拾いました。

妹2日目 ページ4

「僕、言っとくけど悪い人じゃないから。」



『…そう言う人こそ危ない人。重々知ってるから。』



何だこいつ。妙に大人ぶっている。



「というか人のドアで寝ていた君も君よ。名前は？」



『………A』



「苗字は？」



『ない。』



「ないわけないでしょ。」



見た感じ中学生っぽいけど。飾る感じがない。



『あいつと同じ苗字を名乗りたくないから。』



「ふぅん……」



変なの。何が親とあったのか。



「で、住んでるとこは？」



『……今は公園のベンチ』



ホームレスかよ。と言う気持ちを抑えて冷静に言う。



「なるほど。住むとこないんだ。」



『深入りしないでくれる？私、もう帰るから。』



すくりと立ち、たぴちゃんの方を向く。



『バイバイ。わたあめ。』



「そいつの名前、たぴちゃんだからな。」



『…黒くないだろ。』



…ナイスツッコミ。



いや、帰られたら困る。



「ねぇ。家ないなら









僕の妹になったら？」



咄嗟に出た言葉。




『はぁあ？？？』



何こいつと言う顔をしながらこちらを見る。


いや、僕もいまいち分からない。



「だってどーせ公園に住んでも警察行きだよ？」



『…まぁそうだけど』



それに、放っといたら良心が痛むから。



『……誰にも言わなかったら考えなくもない。それに…わたあめもいるなら。』





「素直じゃないなぁ。」


『…うるさい。』









それから、僕と妹の奇妙な生活が始まったのであった。

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