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「こうやって声をかけて頂いたのも何かの縁だと思いますし、お名前教えてもらえませんか?」



名前、教えてくれってことだろうか。もしこの人に教えて実は俺の事を知ってるってなれば…。




しばらく考えていると、



「あ、やっぱり嫌ですよね。名前、もう大丈夫です」


何か察してくれたのか彼女は目の前で両手を降振って"もう大丈夫です"と言われた。


「(気使わせてしまったな)」



話してる限り悪い人ではなさそうだし名前くらい教えてあげたいけど、でもここでバレてしまったら騒ぎになってメンバーに迷惑がかかってしまう。



「もうこんな時間だし帰らないとですね」

彼女は左腕につけていた時計を見て立ち上がってすぐ「あ、」と言い、


「今日私帰るとこないんだった」

座っていた俺の方を見て寂しそうに眉を下げて右目の目尻から一粒の涙が流れた。



「あーー」


こういう時他のメンバーなら気の利いた言葉言えるだろうな。正直羨ましく思う。


「なかないでください」

「すいませ、っ、」







俺は彼女を抱きしめることしかできなかった。









―――――――――――――――



――――――――




「ただいま」

「遅かったね。何かあった?」


「ああごめん、ちょっと」


「?」


「気にするな。それよりこれ、食う?」


「うん!!ちなみ他何買ったの?」


「ラーメンにおにぎり、ジュースに、」


「買いすぎだね。そりゃ買うのも時間かかっちゃうか」


「フッ、一緒に食うか?ラーメン」

「うん!うんうん!食べる!!」





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作者名:minmin | 作成日時:2020年2月1日 18時

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