Myosotis scorpioides【A3!】 (ページ8)

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ろく㌻ページ8

少しの、沈黙

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部屋に置かれた掛け時計の秒針の進む音がやけに鮮明に耳に響く。

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先に口を開いたのは、美人さんだった。

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「そういえば、自己紹介がまだだったね。ごめんね？私は立花いづみ。ここで活動してる劇団の監督と主宰をさせてもらってるの。あ、MANKAIカンパニーっていう劇団なんだけど、知ってるかな...？」

女の私でも惚れ惚れするような笑顔で笑いかけてくれる美人...立花さん。

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いづみ、って言う可愛らしい名前がとても似合ってるなぁと思った。

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「MANKAIカンパニーっていうのは、知らなかったんですけど...この劇場の事は知ってました。昔、家族と何度か来たことがあるんです。父がここの劇団の事を凄く気に入っていて。」

「へぇ...！そうなんだね、なんだか嬉しいなぁ」

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私の返答に今度は照れたようにふにゃりと、緩く口元をあげる立花さん。その仕草に思わずまた見惚れてしまう。

とても綺麗に笑う人だな、と心の中が少し温かくなるのを感じた。

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そう思ったのも束の間、自分が自己紹介をしていない事に気付き慌てて閉じかけていた口を開く。

いや、人にさせといてなんて無礼なんだ私...！

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「あ、えと！自己紹介してなくてごめんなさいっ、私花宮Aと申します。」

あまりに焦っていたので目をキョロキョロさせながら、しどろもどろに話してしまう。

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そんな私を見た立花さんは、またクスリと目元を細めて笑った。

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その笑顔に安心して私も少し口元を緩める。

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_____この人になら、言える。

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大丈夫な気がする。

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そう直感的に感じて、私は意を決して口を開いた。