よんじゅうろく�� ページ48
天馬の持っていた台本は公演が終わってから、撮影が始まる予定のラブストーリーのドラマだった。
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私は天馬の笑顔につられて笑うと、
「やる！」
と、なぜか自信満々に言っていた。
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「わ、私...内村くんのこ、事が...！」
「ぶっ、...な、なんだ、それ。お前ッ...」
..,なんで自信満々に言ってしまったんだろう。
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よく考えてみると私は演技未経験の素人なのだ、完全に忘れていた。
しかも生粋の大根でもある。
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私が台本片手にセリフを言ってみると、目の前の天馬は案の定吹き出した。
そのまま腹を抱えて笑う姿に、私もつられたのか笑みがこぼれる。
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「し、仕方ないでしょ！素人なんだから...」
「でも、ここまでとは...」
天馬は笑いすぎたのか目尻に薄っすらと涙がたまっていた。
こんなに笑っている天馬を見るのは初めてで、何だか新鮮だった。
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「でも、お前はそのままでいいと思うぞ」
「バカにしてるでしょ...」
「してねぇよ」
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冗談っぽく上目遣いで睨み付けると、天馬は頬を緩めたまま優しく私の頭に手を置いた。
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___その瞬間、腕を引かれる。
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「___っえ...」
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声を上げた時にはもう、壁に押し付けられていた。
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急な出来事に驚きながら、彼を見つめると真剣な眼差し。
だけれど、その瞳には好きな人でも見ているかのように優しさと愛おしさが滲み出ていて。
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「な、に、...天馬、」
「好きだ、お前の事が」
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私の声を遮るように、耳元で低く甘い声で呟く。
その声色が妙に真面目で、私は息が詰まった。
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___どきり、
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心臓が大きな音を立てて、なり始める。鼓動が早い。顔が熱い。
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「えっ、...ちょっ、ちょっと待って...！」
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多分真っ赤に上気している頬を見られたくなくて、彼の胸に両手を押し当てる。
そのまま俯き加減でいると___
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「演技っていうのはこういう感じでやらないとな」
「____え」
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パッと私から離れた天馬が無邪気に笑う。悪戯が上手く行った時みたいな笑顔に私は素っ頓狂な声を上げた。
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「え、今の演技？」
「当たり前だ、やっぱ他の奴らとは違うだろ？」
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作者名：オムライス.? | 作成日時：2017年2月26日 20時
