よんじゅういち�� ページ43
「...だから、不本意だけど、まぁ、その点に関してはお礼を言ってやらなくもない」
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そう言ってそっぽを向く皇天馬、オレンジの髪から見えた耳が少し朱色に染まっていたのはきっと気のせいじゃない。
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「まぁ、別にお前だけのおかげじゃないけどな！」なんて照れ隠しなのか焦り出す皇天馬を見て、思わず頬が緩む。
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...純粋に嬉しかった。
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私の言葉で、少しでも変わってくれた彼が。やっぱり生意気で口も悪いけどリーダーを任されて、少しでも人間的に成長してくれた皇天馬が。
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ただただ、嬉しくて
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「___うん。ありがとう。私も嬉しいです」
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そう言って彼に笑いかける、今日初めて心から笑えた気がした。
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皇天馬は笑う私を見て驚くように一瞬目を開かせた後、彼も少し口角を上げた。
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「まぁ、素人らしい仕事はしたな。素人らしいな！」
「ふーん？やっぱり口が達者なのは直ってないんですね？」
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なんて言ってる側から調子に乗ってまた生意気な口を叩く皇天馬。私もそんな彼の挑発に乗って反論する。
いつもの事だけれど、今日は何故か元気づけられている私がいた。
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「ていうか、私の名前素人でもお前でもないんですけど」
「は？......ッ、...」
いつも通りに言い合いを続けていると、ある私の言動で言葉を詰まらせる皇天馬。
てっきり「お前は素人で充分だろ」とか言われると思っていたから急に押し黙った皇天馬に疑問を感じた。
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「...え、どうしたんですか？」
「......」
私が首を傾げてみせると、皇天馬は何かを迷っているかのように口をもごもごさせている。
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「え、本当にどうしたんですか？具合でも___」
「...A...」
「...へ？」
すると俯き加減だった顔を急に上げて、弱々しく私の名前を呼ぶ。
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____ていうか
「名前、初めて呼ばれました」
「...今、初めて呼んだからな」
「何だか、新鮮です。皇さんに名前呼ばれるなんて」
少し照れ臭そうに眉をひそめて、そっぽを向く皇天馬が何だか幼くて可愛いと思ってしまう。私は思わず頬を緩ませ目を細めた。
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すると目の前の皇天馬は少し不機嫌そうな、微妙な表情を見せた。
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作者名：オムライス.? | 作成日時：2017年2月26日 20時
