さんじゅうよん�� ページ36
「...よし」
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みんなが出ていったドアを見つめながら、独り言のように呟く。
...私も頑張らないと。
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「カントクのいない寮なんて、入っている価値ない」
「まぁまぁ、Aさんもいるし！頑張ろう！」
「こんな奴とカントクじゃ全然違う、やる気でない」
「こら！！真澄！」
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「な、なんかすみません...」
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隣で凹んでいる碓氷さんをみんなが励ますが、何だか私にもとばっちりが来た。
だけれど、もう私も慣れたのか不思議と傷つかなかった。
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だって、いづみさんは素敵な人だもん。惚れた碓氷さんはきっと間違ってないから。
まぁ、ちょっとやり方がマズイけどね。
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ぎゃあぎゃあと騒ぐ春組を見て、なんだか微笑ましい気持ちになる。
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「Aさん？どうしたの？」
いつの間にか自然と口角が上がっていたみたいで、咲也くんにキョトンとした顔で見られる。
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「__仲良いなぁって思って。何だか羨ましい」
「そうかな？」
「うん、凄く仲良さが伝わってくるよ」
「え！嬉しいなぁ」
私が思った事を伝えると、咲也くんは嬉しそうに口元に弧を描いた。
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やっぱり咲也くんは純粋っていうかなんというか...。
なんて思っていると、咲也くんが何かを思いついたように目を開かせた。
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「ならさ、Aさんも仲良くなろうよ！」
「...へ？」
急な提案に素っ頓狂な声しか出てこない。
けれど咲也くんは続ける。
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「まだ入って間もないから、距離あるなぁって思ってたんだ！だから、仲良くなろう！」
「...いいの？私なんかで」
「私なんかじゃないよ！Aさんと仲良くなりたいんだ」
そう言って笑ってみせた咲也くんは、私なんかには眩しすぎる太陽のようだった。
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でも、咲也くんにそう言ってもらえたのが嬉しくて____
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「ありがとう...！」
私も笑顔をこぼさずにはいられなかった。
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それからみんなも集まって来て、とりあえず円になって話をすることから始めた。
一部は乗り気じゃなかったから強引だったけど...。
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だけれど話し合いの時間は楽しすぎて、時間が過ぎるのが何だかあっという間だった。
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作者名：オムライス.? | 作成日時：2017年2月26日 20時
