さんじゅうご�� ページ37
咲也くんのおかげで春組の人と沢山話せて、グッと距離が縮まった気がする。
あまり割っていっちゃ悪いかな、なんて言って一線引いていたところがあったから。
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気になっていた呼び方なども決められて、本当に咲也くんには感謝だ。
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機嫌よく鼻歌を歌いながら、晩御飯の食材を買いに行こうと玄関で靴を履いていると___
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「あれ？Aさんどこ行くの？」
「咲也くん、晩御飯の食材を買いに行こうと思って」
たまたま廊下を歩いていた咲也くんに声をかけられた。
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「じゃあオレも行くよ！」
「えぇ？そんな、悪いよ」
「全然大丈夫！」
「じゃ、じゃあ...お願いしようかな」
ニコッと屈託のない笑顔で言われて、何も言い返せなくなる。
なので、ちょっと申し訳ないけれど付いて来てもらうことにした。
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すると咲也くんは満足そうに「先に待ってて！」と、準備をしに廊下を走って行った。
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...本当にいい子だなぁ。
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彼の背中を見送りながら、私も目を細めた。
＊＊＊
「何で俺まで...」
「だって寮に真澄くんしかいなかったんだよ〜」
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咲也くん、本当に嬉しいんだけど___どうしてこうなった。
街を歩く私の横には、機嫌が良さそうな咲也くんと____不機嫌に彼を睨みつける、真澄くん。
あ、呼び方は昨日決めたんだ。
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って、そんな事はどうでも良くて！
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明らかに不穏な空気を醸し出している真澄くんに、ビクビクしながら一歩を後ろを歩く。
咲也くん、なんで真澄くんを連れて来ちゃったの！？
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「Aさんとも仲良くなれるチャンスだよ！」
「別にいい。カントクじゃないと、意味ない」
ちらりと真澄くんを見ると、「カントク」「カントク」ばっかり呟いている。
ま、末期だ...！
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申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら、心の中で真澄くんに謝る。
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そんな重苦しいムードの中、やっとの事でスーパーに着いた。
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作者名：オムライス.? | 作成日時：2017年2月26日 20時
