にじゅうきゅう�� ページ31
土曜日___快晴な青空とは裏腹に、私の心はどんよりと重かった。
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...理由はただ一つ。
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オーディションの日に起こしてしまった自分の失態に口からため息を出さずにはいられない。
頭に血が上ってたとはいえ、あんなことするべきじゃなかった。
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仮にも潰れかけの劇団に入ってくれた貴重な人材なんだし、何より実力もある。
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折角入ってくれると言ってくれているのに、辞められては元も子もない。
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...ちゃんと謝ろう。そんで、何とかここでやっていってもらわなくちゃ。
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「Aちゃん、あんまり思い詰めないでね。あれは天馬くんも悪いんだし」
「いえ！！そんなっ、でも私も大人気なかったですし...ちゃんと謝っておきます」
色々と考え込んでいたら落ち込んでいるように見えたのか、いづみさんが不安げな瞳で私の顔を覗き込んでくる。
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やっぱり、いづみさんは優しい。本当にお姉ちゃんみたいだ。
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私は口角を緩く持ち上げて、微笑む。するといづみさんもホッとしたように頬を綻ばせた。
＊＊＊
そして、ほどよくして4人が家に訪ねてきた。
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いづみさんが寮について説明しているのを隣で聞く。
後、入ってきて早々皇天馬に睨まれたのであまり目を合わせないようにしている。
やっぱり怒ってるよなぁ...あとで謝ろう。
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皇天馬と幸さんがまたケンカをしているのを横で聞きながら、ふうと息を吐いた。
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でも、一人部屋が良いとか何号室が良いとかワガママな所は相変わらずだなぁ。なんて心の中で苦笑した。
そんなこんなで着々と部屋が決まっていく中で、203号室が幽霊が出るとか何とかの話になった。
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そこは皇天馬が指名した部屋で、なんだかグダグダ言ってるのでみんなで見にいくことになった。
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「私はここに残ってますね、あんまり大人数で行くものでもないですし。なんかあったら呼んでください」
「分かった、よろしくね」
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私は残って部屋で雑用などをしようといづみさんに提案すると、すんなり了承が出た。
まぁ、ただ単に皇天馬に睨まれ続けてるから行きにくいっていうのもあるんだけどね...。
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そうして、みんなが部屋を出て行ったのを見送るとやる事を探す。
...あ、そういえば花のみずやりしてなかったな。
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作者名：オムライス.? | 作成日時：2017年2月26日 20時
