にじゅうさん�� ページ25
課題の内容は、『おはよう』っていうセリフを喜怒哀楽の4つの感情で表現する___というものだった。
.
順番は自己紹介と同じ順番になったので、幸さんからになった。
.
幸さんの演技が終わるといづみさんが私に声をかけて来た。
.
.
「Aちゃん、どうだった？」
「え、えと...私から見ても分かりやすい演技だし...それに堂々としてて、良いと思います」
正直に自分の今思っていることを伝えると、いづみさんは満足そうに笑った。
.
.
次は、三好さん____
.
「学生レベルだな」
「はあ？さっきからいちいち____」
「ちょっと天馬くん。オーディション中だから、私語は控えて」
「ふん」
.
また、皇天馬か...。
いちいち突っかかってくるけど、何なんだろ。
.
いづみさんの注意もあり、皇天馬も黙ったので気を取り直して次は三好さん。
.
.
.
「どうかな？」
「アドリブがありましたけど...三好さんも結構良いと思います。なんて上から目線ですが...！」
「いーのいーの！」
.
.
次は、椋さん。
.
.
「どう？」
「あっ、えっと...一見ビクビクしてますが...なんか綺麗な演技に見えました」
「うんうん」
.
みんな、やっぱりオーディションに来ただけあって凄く上手だなぁ。
.
.
私なんか、中学校の時に準主役を任されたのにあまりに大根すぎる演技だから役降ろされて小道具に回されたな...。
.
なんて、昔のことを思い出していると皇天馬の番が回って来た。
.
.
一体どんな演技をするんだろう。
少しワクワクして、舞台の上の皇天馬を見つめる。
.
.
.
.
___演技が、終わった。
.
.
.
「Aちゃん？」
「...え...？っあ、」
いづみさんの声でハッと我に帰る。
.
それまで皇天馬から目が離せなかった。
.
.
「なんだか、やっぱり他の4人とは全然違いました...演技に引き込まれて...これが、プロなんだ、って」
自分の持っている語彙力ではとても表せられないほどの、演技。
.
.
.
どれだけ生意気でも、性格が悪くても、
.
彼が正真正銘のプロなのだという事を思い知らされた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 559人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：オムライス.? | 作成日時：2017年2月26日 20時
