にじゅうに�� ページ24
だけど、こんな所でイライラしててもしょうがない。
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喧嘩になりそうな2人の間を割るように、自己紹介をしてきた次の人に目線を向ける。
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「はいはい、次オレね。三好一成、大学2年。演劇経験はゆっきーと同じくなしっす」
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なんだか、凄くチャラそうだけど声も大きいしこの人も堂々としてるな...。
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「次はええと、向坂くん？」
「は、はい！向坂椋、中学3年生です。演劇経験はありません」
「素人ばっかりかよ。こんなんで、本当にオーディションになるのか？」
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次は向坂さん、っと...一見おどおどしてるように見えるけど演技をしたらどうなるか見てみないと分からないし、見た目だけで判断はできないよ...ね。
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相変わらず、皇天馬は文句言ってるし...。
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そうして3人の自己紹介が終わり、残るは皇天馬だけになった。
「最後は天馬くん」
「今更紹介なんて必要ないだろ。さっき、言った」
いづみさんの言葉にまたもや反論する皇天馬。どこまで、自分勝手なのか...。
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はぁ、と心の中でため息をつく。
なんだか、オーディションだけなのに肩がずんと重くなった気がした。
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「一応、改めてお願いできるかな。舞台の経験も聞きたいし」
「......皇天馬、高校2年。役者としては15年......舞台経験はなし」
「なし？一度も？」
「オレ、基本映画メインだから」
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...しぶしぶ自己紹介してくれたけど、意外だった。
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あんなにドラマに映画に引っ張りだこなら、一度くらい舞台経験があってもおかしくないのに一度も無いんだ。
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しかも、なんでここに来たのかな...あんまり有名って訳でもないのに。
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少し違和感を覚えつつ、手帳の皇天馬の欄にメモを取った。
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メモを取り終わり、顔を上げるといづみさんと目が合う。
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いづみさんも少し違和感を覚えていたようで、一緒のタイミングで目配せをして首を捻った。
それが、ちょっとおかしくて2人で笑ってしまったけど。
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「それじゃあ、今から簡単な課題をやってもらうね」
いづみさんの声で、みんなの顔も少し真剣になった。
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作者名：オムライス.? | 作成日時：2017年2月26日 20時
