FILE.30 宝石の似合う女(1) ページ30
「先程はお恥ずかしい姿をお見せしてしまい誠に申し訳ございませんでした、ええ、それで私への依頼というのは__」
『い、いえ、依頼ではなくて...』
「な!まさか私に会いにわざわざ...」
「そんなわけないでしょ!お父さんに依頼しに来たわけじゃない__って私さっき言ったのに...。」
「あ、ああそうか...」
おっちゃんはげんなりしながら頭を掻くと、
胸ポケットから名刺を取り出した。
それをちょこっとつまんで受け取り、財布にしまう。
「お嬢さんならいつでもご依頼受け付けておりますのでぜひぜひ!」
「ちょっとおじさま!遥さん困ってるじゃない!」
「おっと、これは失礼」
そんなやりとりに、蘭ちゃんは呆れた顔、コナンくんは相変わらずだなといったような顔をしている。
こっちからしてみればこの光景はお決まりにすら感じるけど...
その後、蘭ちゃんに軽く謝罪されながら案内されたソファに座ると、
隣にコナンくん、向かい側に園子ちゃんが座った。
「今お茶持ってきますね。」
『わざわざありがとうございます』
本当に出来上がってる子だなあ...
この親にしてこの子あり
という言葉がこんなにも似合わない親子が他にいるだろうか...
「あ、それとコナンくん、そこに救急箱があるから、遥さんの怪我の手当してもらっていい?」
「はーい!」
『怪我の手当は自分で出来るから...大丈夫だよコナンくん。』
「でも...」
してもらいっぱなしは気が引けるし、
借りを作ってしまうようで面倒くさい。
『ありがとね』
そう言ってコナンくんの頭を撫でると、
高校生とは思えないほどの純粋な笑みが帰ってきた。
作り笑いだろうけどあざとい....!!
そんな感情を抑えつつ、私はコナンくんが取ろうとしていた救急箱を手に取って再びソファに座った。
改めて傷口を見てみると、幸い生活に支障は出ないものの、かなり深く切られていた。
こういうのは蚊に刺されと同じで、見つけた途端に痛みが増してくるものだ。
私が消毒液とティッシュを手に取り手当をし始めると、
同時に園子ちゃんが口を開いた。
「それにしても、改めてみると遥さん本当に美人さんよね〜!」
『いえいえ...』
「きっと、
『宙の金木犀?』
「あれ、遥さんもしかして宙の金木犀知らないの?」
金木犀はわかるけど、宙の金木犀は聞いたことがない。なにそれ。
「宙の金木犀ってのは、鈴木財閥イチオシのペンダントの名前なのよ!」
FILE.31 宝石の似合う女(2)→←FILE.29 見慣れた風景
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Ohata(プロフ) - いや 私には700ヤード先の直径1cmの的にピンポイントで弾を食らわせる超人スナイパーに見えます。 現場からは以上です。 ←まじ笑いましたwww (10月9日 10時) (レス) @page6 id: 6c4593a5ce (このIDを非表示/違反報告)
+G(プロフ) - 舞さん» コメントありがとうございます。頑張ります! (2021年4月4日 11時) (レス) id: 2be049e179 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 更新頑張ってください^o^ (2021年3月28日 23時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
+G(プロフ) - 星来さん» コメントありがとうございます。通知付けして頂き、とても嬉しく思います!頑張ります。 (2021年3月15日 23時) (レス) id: 2be049e179 (このIDを非表示/違反報告)
星来(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。私は何とも幸運なことに昨日こちらの作品を見つけまして、更新の望みをかけて通知付けさせて頂いたところで、再開のお知らせを新参ながらとても喜ばしく思います。コナンの沼におかえりなさい!!!楽しみにお待ちしてます! (2021年3月15日 16時) (レス) id: 4e1206599e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:+G | 作成日時:2019年4月27日 22時