Feather (ページ27)

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「あんたさ、もしかして樹くんのこと探してんの？」
「そうです」
「呆れた…。この前も大我くんに気安く話しかけてたくせに、今度は樹くんにも色目使ってるわけ」
「…勘違いしてるようですけど、私はただ同級生として話してるだけです」
「……は？」
「学友として話すことになんの問題がありますか、私が三軍だからですか？」
「分かってるなら自覚しなさいよ。三軍のくせにあたし達と同じ土俵に立って偉そうなこと言わないで」
「偉そうにしてません。意見を言ってるだけです」
「ダサい眼鏡の地味女のくせに…」

確かに。
言われた言葉が的確すぎて、やっぱり私には三軍という言葉がよく似合う。

ーー綺麗だよ

あの時、ミケちゃんと出会うもっと前。
受験に失敗した事がきっかけで海の底に溺れていた私を陸に引き上げてくれた、田中くんが言ってくれた言葉がリフレインした時。

「そういうの好きじゃないなぁ」

不穏な空気に割って入るように響いた声。
佐藤さんも後ろにいる女の子たちもみんな、その声の持ち主に振り返りバツの悪そうな顔をしている。

「佐藤さん…だっけ。そういう威圧的な態度、きょもは好きじゃないと思うよ」
「…違、これは」
「君たちも、もっと自分の意見とかない？同調ばっかしてると本当の自分見失っちゃうと思うんだよね。ってことで、もう解散で良くない？ね」

そう言いながら前に現れたのは私の探し人である田中くんだった。