Feather (ページ16)

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久しぶり、ページ16

バイト終わりに鞄を肩に掛け駅前を歩いていた時だった。

「A…？」

聞き覚えのある声に立ち止まる。
無意識にその声に振り返ると、あの頃と何も変わらない同級生の姿がそこにある。

「北斗…？」
「やっぱりAか、久しぶり」
「…久しぶり」

北斗、は、私の中学の同級生。
3年間同じクラスだった彼は私の唯一の友達で、出来れば会いたくない人。

「猫背なとこ変わらねぇのな。歩き方で分かったわ」
「そう？北斗もあんまり変わらないね」
「それ褒めてんのか？」
「多分…」
「おい」

こうして軽口が叩けるのも、長い付き合いがあったからで。
会いたくなかった理由は一つ。
希望を叶えた北斗と叶えられなかった私の間には、天と地の差があって眩しく見えるから。
だからあの頃と同じように笑う北斗は、私と違う制服を身につけていてなんだか誇らしく見えた。

「てかお前さ、連絡しても返さないとかそんなことある？」
「…ごめん。課題が忙しくて…その、バイトも始めたし」
「バイト？あー…その制服見たことあるかも」
「えっ」
「駅前の喫茶店だろ？本屋に行く時に何回か見かけたことある」
「…そうなんだ」
「…来んなってオーラ漂わせんな」
「察しがいいことで」

お前な、って歩いていた足を止めて立ち止まる北斗。片手で持っていた制服を鞄の中にしまいながら苦笑いをすると、北斗は少し気まずそうに頬を搔く。