【銀魂】エ ン ヴ ィ ー 彼 氏

2 ページ21

『晋助、何してんの』




もしや私の身長を縮めようとしているのか。そう聞くも、彼は否定しない。

つまり肯定というわけであり、余りにも彼らしくない浅はかな考えに笑ってしまう。




『ぷぷぷ。低杉くん自分がもう伸びないからって彼女の身長縮めるとか』




吹き出すように笑う銀時は、晋助を指差してはケタケタ笑った。晋助の顔には青筋が浮き出ており、今にもぷっつんしてしまいそうである。

だが銀時の挑発には乗らず、私を一瞥しては薄く口を開く。




『そんなに背が高い方がいいか』




拗ねたように呟く晋助。私もそれには吹き出してしまい、今度は睨まれる。「ごめんごめん」と彼に抱き付くが、抱きしめ返してくれないみたいだ。


「あのね」と顔を上げ、私より少しだけ背の高い彼を見つめた。




『こういうチューをしてみたいの』




そうして私は彼の首に腕を回し、精一杯背伸びをして、晋助の薄く冷たい口唇に自分のを触れ合わせる。

この間見たドラマには、背の高い俳優の男性に、身長が低い女優さんがキスをしたシーンがあった。



しかし私が精一杯背伸びをすると彼と頭を並べてしまうため、ちょっと不恰好なキスになってしまう。




『でも、チューはチューだね』




どんな角度からしたところで、それはキスだ。晋助は私の言葉に小さく笑い、ようやく腰に腕を回してくれる。

片方の手は私の後頭部に添えられ、ピッタリと密着するように引き寄せられた。




そうしてあのドラマに負けないくらい、胸がキュンとするキスを彼は私に落としていく。






『晋助、イチゴミルクは一日二リットル以上飲んで、ずっとソファで寝てると身長が伸びるかもしれない』


『A、ひとつ教えてやる。それは社会からの脱落者の行動だ』


『おい』

彼氏:高杉晋助 友情出演:桂小太郎→←彼氏:高杉晋助 友情出演:坂田銀時 1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す