【銀魂】エ ン ヴ ィ ー 彼 氏

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『キスすんのは、俺じゃなくても良いってことか』




「A」と行為の最中ですら呼ばれた記憶のない私の名前を呼ぶ。しかしどこか慣れたように呼んでいるため、もしかしたら、呼んでくれたことがあるかもしれない。




『キスひとつで誑かすなんて悪い女だな』




そう言って私と顔を近づけて来る。寸止めのところで彼の唇を覆うように手を広げれば、瞬く間に鬼の形相に変わった。




『……誰でも良いなんて、思ってないです』




私がキスをせがむ相手は、酔った勢いで決めたわけではない。発言は、完全に酒の力を借りたが、相手は違う。




『今度は素面でキスがしたいって、言ったら……』
『貴方は、引きますか？』




片方の目を山形にし、彼は私の手首を掴む。そのまま唇から手を離して、私の後頭部に手を回した。




『いいや……』
『可愛いなァって、思うぜ』




そのまま私との距離をゼロにし、壁に押し付けては逃げ場を無くす。もともと逃げる気なんてなく、ただ彼の熱のこもったキスに感じていた。



きっと次は、お酒の力で彼に「好き」と言うだろう。

その時また彼に怒られては、次は目が覚めたベッドの上で、「本当に好きです」と言ったら、彼は私を受け入れてくれるのだろうか。



今はまだキスフレンドでも、いつか真っ当に隣を歩ける女になりたい。




『高杉さん』

『あ？』

『キス、してくださいよ』

『まだ足りねーか』




鼻でふっと笑われても、結局お望み通りしてくれる彼は、私に早く惚れてくれ。

彼氏:坂本辰馬 友情出演:坂田銀時→←3

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