【銀魂】エ ン ヴ ィ ー 彼 氏

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『……ごめんね』




授業が終わり彼に教科書を返すのと共に謝ったのだが、何でと聞かれ、返事に困る。

叩かれたこと、自分から言い出せなかったこと、……色々あるけど、そのどれも上げずに私は再び謝った。




『お前さあ、暗いよ？』




暗い。

自分でも分かっていたが、実際に誰か……いや、坂田くんに言われると余計酷く胸に刺さる。

しかし不意に彼は私の両頬を摘み、優しく引っ張っていく。そしてそのままグニグニと動かした。




『ほら、こうやって笑うんだよ』




にー、と彼はお手本を見せてくれ、真似して見たが吹き出すように笑われてしまう。




『お前ぎこちなさすぎ！』




お腹を抱えるようにして笑うから、恥ずかしくなるも彼に釣られて笑いが零れた。そんな私を、彼は目を丸くして見つめる。

変だったかと慌てて口を手で覆ったが、逆にその手を掴まれた。




『……笑えんじゃん』




太陽の下、負けないくらい眩しく笑う彼の笑顔は私に向けられており、それがとてつもなく嬉しい




『笑った方が良いよ』




はっと気付いた時には彼はもう目の前に居なくて、瞬く間に顔へと熱が集まる。胸がうるさくて心臓が飛び出そうだ

慌てて窓を開けて風を浴び、その熱を冷ましていく。



これはとある晴れた日の、太陽の熱がさんさんと降り注ぐ真夏の話。

もしかしたら私は、太陽しか目に入らない向日葵になれるかもしれない。









『………あれは反則だわー』




なんて、呟いた誰かの声は届かずに。

彼氏:沖田総悟 友情出演:坂田銀時→←番外篇1 坂田銀時

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