反比例。【Kei.Inoo】

３３＿Kei ページ33

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裕翔『あの子どこで知り合ったの？』







慧『選択授業が一緒だったの』







裕翔『また意味もなく優しくしたんでしょ』







慧『別にそんなつもりはねーけど…、』







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”はいっ、”手渡された缶のビタミン炭酸。







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裕翔が歩くと、春みたいな風がふわっと吹く。







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慧『お前…なんでそんなに爽やかなの』







裕翔『いのちゃんが梅雨なだけ〜』







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隣でサイダーをごくごく飲むこいつは、撮影中かと思うほど様になっている。







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…俺がこんなんだから、裕翔に取られちゃったのかな。







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裕翔『いのちゃんはさ、誰にでもフランクに話しすぎなんじゃない？』







慧『そーう？』







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裕翔『だからAちゃんに勘違いされちゃうんだよ』







慧『……、いきなりなんだよ』







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裕翔の口から聞くAの名前は、俺の胸を締め付ける。







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裕翔『最近Aちゃん、元気ないんだよ』







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そんなこと、分かってる。







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裕翔『なんか悩みごとでもあんのかなぁ』







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俺がちゃんと話してないから。







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全部全部分かってるのに、







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慧『知らね、』







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強がっちゃうのは、なんでだろう。







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